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映画『銀の匙』感想:★★★★★

2014.03.16 Sun

銀の匙


 漫画の実写映画化とか、どうせ酷いことになってるんでしょ? と思いながら観に行ったってのに、予想外に面白くてちょっと悔しい。
 最初は各出演者がそのキャラクターに見えなかったのに、映画が進むにつれてちゃんと見えてくる不思議。

 原作への愛情と、映画化するにあたって大胆に原作を組み替えた勇気、ちゃんと原作の細かいネタを拾う小まめさとバランス感覚が組み合わさって、結果として着地に成功出来た印象だ。
 ただ開幕いきなりニワトリの首ちょんぱ、終盤には豚が肉になる過程が描かれたりもするので、その手のものが苦手な方にはオススメ出来ません。



 進学校で落ちこぼれた八軒勇吾(中島健人)は、附属の高校ではなく全寮制の高校へと進学する。その高校の名は大蝦夷農業高校、通称エゾノー。酪農科学科。
 一風変わった高校だけに、クラスメイトは農家の子供ばかり。みな家業を継ぐのだと言う。ただ全寮制だから、との理由だけでエゾノーを選んだ八軒には、周囲が異質に思える。
 更に実習で将来肉にするために育てている子豚の内、一頭だけ小さいものに名前をつけようとしたところ、クラスメイトに注意される。経済動物に感情移入なんてすると良いことないよ、と。どうせすぐに豚丼か何かになるのに、と。
 反発した八軒は子豚に「豚丼」と名付け、豚の一頭ではなく、固有の存在として見做すことにする。

 何かと気に掛けてくれるクラスメイト御影アキ(広瀬アリス)、彼女の幼馴染み駒場一郎(市川知宏)、クラスのムードメーカー常磐恵次(矢本悠馬)、クールな稲田多摩子(安田カナ)、彼らの担任である中島先生(中村獅童)に豚舎の責任者でナイスバディな富士先生(吹石一恵)、温和な校長(上島竜兵)と共に、八軒の高校生活は走りすぎて行く。
 子豚の豚丼には出荷時期が迫り、牛は子供を生み、駒場の農場には借金が重くのし掛かり、アキの農場が所有する馬にもまた……。
 挫折感に項垂れてエゾノーにやってきた八軒が、ここで掴み取るものとは。







 他にも、アキの中学時代の同級生にしてライバル(?)の南九条あやめ(黒木華)、原作漫画では眼力だけで人を殺せそうな八軒の父親(吹越満)、アキの父親(竹内力)、ばんえい馬の飼育を行っているアキの叔父(哀川翔)が登場。

 夏休みにアキの農場にバイトに来た八軒を睨むアキの父親(竹内力)には笑ってしまった。怖い、怖いよ!
 アキへの応援の方向性で揉める父親(竹内力)と叔父(哀川翔)とか、小ネタにも力入っております。そもそもこの二人が兄弟って、無理がありすぎるよ!
 南九条あやめ(黒木華)は原作通りのくるくるパーマで頑張っていたし、稲田多摩子(安田カナ)もちゃんと太ましいし、ただ原作のように激やせして美人にはならなかったけれど、あとあまり出番はなかったけれど吉野まゆみ(岸井ゆきの)もパンフレットに載っていたよ。

 ただどれもかれもが原作通りではなく、八軒の兄貴は存在自体が抹消されているし、登場するキャラクターも何人かが学科が変更され八軒のクラスメイトになっている。
 原作では仏のような中島先生がオレオレ系になっていたりもする。
 が、原作が伝えたいことを映画でも伝えようと頑張っているのが感じられ、細かな変更を詰る気にはならない。


 豚丼にせよ牛にせよ、スーパーで綺麗にパッケージされて売られている肉は、嘗ては確かに生きていた生物だったのだ。
 愛玩動物ではなく経済動物と呼ばれる彼らだが、けれども愛玩動物との本質的な違いなど存在しない。
 何を食べて何を愛玩するのか。それは全て人間が勝手に決めたことなのだ。そのエゴと、けれどもそれを基として経済が成り立っているがために簡単に否定することも出来ないジレンマ。
 子供の頃からその論理に浸っている農場の子であるクラスメイトとは異なり、単なる消費者でしかなかった八軒はエゾノーでその現実を初めて知る。
 既に達観したかのようなクラスメイトに染まることを良しとせず、八軒は考え続ける。彼にはどうしようもない現実であり、彼に出来ることなど何もないと分かっていても。

 映画で導き出される結論は正直やや安易に過ぎる気もするが、挫折に蹲っていた八軒が立ち上がり、真っ直ぐに前を向く過程がちゃんと地面に脚をつけてしっかりと、かつ魅力的に描かれているのは好印象。


覚え書き(本に纏わるあれこれ):映画感想
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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 そんな私は原作はまだ8巻までしか読んでいない。貸してくれていた相手が引っ越してしまいまして……。
 誰か9巻以降貸してくれ。
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