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日本ドラマ『リーガルハイ(シーズン2)』感想:★★★★☆

2013.12.20 Fri

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 真実・正義と呼ばれ「正しい」とされるものの不確かさとその不在を強烈に突き、固定化された価値観にNOを高らかに宣言するドラマ。
 一つの宗教のみを肯定することに抵抗を感じ、理不尽な天変地異に歯を食いしばり、多様性を尊び個々を尊重することを是としようと必死に己に言い聞かせる、そんな日本の混沌とした風土に相応しい、非常にらしい作品とも言える。

 9.11の後、当時のアメリカ大統領が"Justice"とカッコよく言い放つのを聞いて、私は飲んでいたお茶を吹き出した。
 その演説を聞く聴衆たちが盛り上がる姿に、私は「なにこの国、気持ち悪い」との感想を抱いた。当時のアメリカは私にとっては「なんかよく分からないけど偉大な国」だったのだが、それが綺麗に崩壊した瞬間でもあった。
 私は「正義」と叫ぶ指導者を欲しはしない。何の含みもなく愚直に己を正義だと言い張る人物など、気味が悪いだけだ。

 さて、今シーズンの『リーガルハイ』で無敗の敏腕弁護士・古美門研介(堺雅人)の敵役として立ち上がるのは、この手の不気味さを持つ若手検事(途中から弁護士)の羽生晴樹(岡田将生)。
 彼の正義をどう感じるかで、大きく評価が変わりそうなシーズン2であった。



 理想主義者である弁護士・黛真知子(新垣結衣)が、今回引き受けて来たのは安藤貴和(小雪)の弁護依頼。
 交際のある男性が次々と死に、その度に多額の保険金を手に入れて来た彼女は、稀代の悪女として世間からのバッシングを受けていた。
 ついに徳永光一郎殺人容疑で起訴され死刑を言い渡された貴和は、控訴審を前に死刑を回避するべく負け知らずの敏腕弁護士・古美門を頼って来たのだった。
 黛は殺人犯かつ世間からのバッシングを受ける彼女の弁護に躊躇するものの、1億円と貴和が男たちを落としてきた「拘束回転三所責め」プレイの成功報酬に目が眩んだ古美門は快諾。
 状況証拠に加えて敏腕検事が待ち構える圧倒敵に不利なはずの控訴審をその手腕と裏工作で有利に進めるが、しかし、途中で貴和が証言を撤回。自身の罪を認めてしまう。

 結果、控訴審は棄却。貴和の死刑判決が確定となった。無敗の古美門研介に傷が付いたのだった。
 これを知った古美門のライバル三木長一郎(生瀬勝久)は激怒。貴和に上告させ、今度こそ無罪を勝ち取ることで無敗に戻ることを古美門に要求する。
 無敗の古美門を破ることこそが、三木の望みなのだ。初の敗北に項垂れる古美門など見たくないと、三木は秘書の沢地君江(小池栄子)を連れて、世界一周のクルーズへと旅立ってしまう。

 「人間を辞めたい」と言い出すほどに打ちひしがれる古美門、何故か上告を頑なに拒否する貴和。
 果たして古美門研介は、無敗を誇る敏腕弁護士に戻れるのだろうか。貴和は本当に殺人犯なのだろうか。殺人犯だとすれば、彼女に無罪を勝ち取らせることは、倫理的に正しいことなのか?
 貴和の背後に見え隠れする他者の思惑に、不可解な貴和の心変わり。
 古美門は、彼女を巡る謎にどう決着を付けるのか。







 と、無敗の古美門が無敗ではなくなってしまう衝撃的な一話からスタートするシーズン2。
 古美門の破天荒なキャラクターの可否を問うたシーズン1とは異なり、今回のシーズン2では既に彼の存在は視聴者に肯定されている(だからこそ、シーズン2が制作されたのだし)。
 しかもシーズン1で先輩弁護士・三木が打倒古美門に燃える理由も明らかにしてしまった以上、新たなシーズンでは新たな対古美門を狙う敵役が必要となる。

 古美門とは同じ方向性では駄目である。三木も汚い弁護士ではあったが、それは古美門の存在の可否如何が主題となりえるシーズン1だから許された設定なのだ。
 シーズン2では古美門とは異なりそれなりに好印象を与えるキャラクターで、しかも最終的に悪徳弁護士・古美門に打倒され、加えてそのラストシーンが視聴者にとってカタルシスとなる敵が必要である。
 ……無理難題だ。


 この難問をクリアーすべく脚本家が生み出したキャラクターこそが、今回の敵役・羽生晴樹。岡田将生が演じるところの彼は、頑張っている。
 適度に胡散臭く、適度に好印象であり、適度に疑問を抱かせるように設定されている……のだろうと思う。 
 そうは思うのだがしかし、最初から述べているように、私にとってこの羽生というキャラクターは最初から最後まで一貫して気持ちが悪かった。
 彼が掲げる理想は、私には理想だと認識することすら困難だ。しかも彼本人は、どうやらその気持ち悪さを意識出来ないらしい。本人が意図するところの気持ち悪さも気持ち悪いが、本人自身がその気持ち悪さに気が付くこともなく理想を信じてしまっているのはもっと気持ち悪い。

 おかげで、最後に古美門が彼を完膚なきまでに打ちのめしても、そこにカタルシスはほぼ存在しない。そんなことは最初から自明のことではないか、と感じてしまうのだ。逆転劇ではなく、ただの事実確認だ。
 だが、羽生に共感を覚える視聴者にとっては、最終回はさぞ衝撃的だったろうなと想像する。どれほどの視聴者に対して、その効き目があったかは微妙なところだが。
 とネガティブなことばかりを書き綴る私にとっても、最終回は面白かった。これは俳優陣の実力の賜物だ。
 新垣結衣に至っては、シリーズを通して「事務所的にオッケーなのかコレ?」と疑問に思うほどの奮闘振りであったことだし。



 しかし、古美門にそのアイデンティティを完全に壊されたはずの羽生を、ラストで元気そうに描くあたり、この脚本家は実に意地が悪い。
 彼だか彼女だか知らないがこの脚本家は、人間の醜さと貪欲さを叫び、真実も正義も踏みにじって省みることすらなく、ひたすら己の道を行く古美門の姿とて、絶対解ではないと示しているのだ。
 彼を完全に肯定してしまえば、混沌の今を生き抜くためには古美門ほどの「個」の力が必要だとの結論になってしまうし、そしてその解答は人を選ぶだろう。だからこそ混沌の海に沈めて、シーズン3への配慮を行ったのやもしれない。
 ドラマなぞ、所詮は人気商売だ。それにこうしておけば、羽生も再度登場させられ……るか?

 こうして凄まじく斜めに見ている素直じゃない私だが、「朝ドラ」と揶揄されるほどの理想主義者でありながら、今やすっかり古美門の思想と手腕を理解するに至った黛の今後も気になるところであるので、シーズン3を期待してはいる。
 対古美門キャラクターの設定の難易度が更に上昇するうえに、シーズン2の今回ですら「ドラマ(作り物)だと言っても、この設定おかしいよ!」な部分が目に付くようになってきている以上、脚本家は辛いだろうけれど。
 古美門と黛二者の最終決戦を見たいし、あ、それとシーズン3では三木とその秘書の出番をなにとぞ、なにとぞ。



覚え書き(本以外のあれこれ):国内ドラマ
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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