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映画『マラヴィータ』感想:★☆☆☆☆

2013.11.19 Tue


『マラヴィータ』


 最後まで見た私を褒めてあげたい、とかもうそういう次元の問題。
 一番の見所はCMです、真面目に。CM詐欺を通り越して、よくぞこれからあれほど面白そうなCMを作ったと絶賛してあげたいレベル。
 CMで「"ファミリー"VS."ファミリー"」なんて煽り文句が付いていなかったら、途中で出てしまった可能性すらある。



 ジョヴァンニ・マンゾーニ(ロバート・デ・ニーロ)の一家四人が、フランスのノルマンディー地方に引っ越してきた。
 だがここでの彼の名前はフレッド・ブレイク。実はこのジョヴァンニ、かつてはマフィアのボスだったのだ。
 それが仲間を売った見返りとしてFBIの証人保護プログラムの下に入り過去を隠し、アメリカから越してきた「普通」の一家として、平和な暮らしを送る……はずであった。

 だがジョヴァンニは工事を吹っかけてきた配管工をバットで連打して病院送りにし、その妻マギー(ミシェル・ファイファー)は買い物に訪れたスーパーでの不愉快な出来事からその店を爆破。
 問題児は両親だけではない。娘のベル(ディアナ・アグロン)はベルで、下心丸出しで近づいてきた上級生をテニスラケットで殴打。ラケットが壊れて使い物にならなくなるまで、手は抜かない。
 彼女の弟ウォレン(ジョン・デレオ)は、転校生に付きもののリンチを受ける。が、その後、周囲を観察した上で罠を張り巡らし、無事に報復を遂げる。更に情報網を拡大させ、徐々に学校の裏側に支配を広げて行くのであった。

 一事が万事こんな調子のせいで、彼ら一家は同じところに定住出来ないでいた。今回の引越しも初めてではなく、もはや各地を転々としているのが実態である。
 彼らの担当であるFBI捜査官ロバート・スタンスフィールド(トミー・リー・ジョーンズ)も、彼らにはほとほと手を焼いていた。
 しかも長い付き合いのせいで、彼の部下たちはすっかりマギーを筆頭にマンゾーニ一家と親しくなる有様だ。

 一方、ジョヴァンニに恨みを持つドン・ルッケーゼ(スタン・カープ)は、今でも彼のことを追っていた。
 報復のために一家全員の殺害を目論む彼は、とんだ偶然からウォレンの通う学校が発行している学級新聞を目に留めることに。
 そこにはウォレンによる英語のダジャレが一つ載せられていたが、しかしそれは、ジョヴァンニがかつてルッケーゼの前で披露した代物だったのだ。
 長年捜し求めていた標的を見出した彼らは、急遽ノルマンディー地方へと飛ぶ。
 平和な田舎町に、今、血なまぐさい争いの幕が開こうとしていた。







 題材は面白そうなんだけどなぁ。
 実際のところ、ジョヴァンニとマギーの夫婦愛、バリバリ反抗期なはずのウォレンとベルの姉弟愛は素敵だ。
 だがドン・ルッケーゼが彼ら一家を見つける件がご都合主義すぎるのは別に良いとしても、彼らの間で行われる「"ファミリー"VS."ファミリー"」は時間的にも規模的にも大したことがない。
 CMでは煽っていたからこれがメインだと思うと、かなりの拍子抜けである。

 ただ、彼ら一家の組成を見れば、そんな派手な抗争が出来るはずもないのは確かなので、ぶっちゃけ脚本が悪いのではないかと。
 それに彼らの奮う暴力には共感出来ないものも多く、嫌悪を覚えることすらある。故に彼らをそれほど好きにもなれず、従って彼らの生死についてもあまり興味を持てない。
 元は凄腕だったが今はただの一般人となると、アメリカドラマの『バーン・ノーティス』シリーズを思い出してしまうが、あちらの主人公マイケルは元スパイで国のために働いていただけに、人殺しはしても基本的には良い人だ。
 彼の行為には、いつだって理由があり、だからこそ視聴者も共感を覚える。
 マイケルは友人二人と組んで総勢三人だけで、圧倒的に数の多い敵と対等に渡り合いもするが、それは彼らが三人とも一流の腕前の持ち主な上に、事前に周到に罠を仕掛けているが故だ。

 対して、ジョヴァンニ一家は、夫は人殺しに慣れているが今となってはもう若くもなく、そこまでは期待出来ない。夫に比べて若い妻マギーはと言えば、こちらはこちらで非戦闘員のようだ。
 子供二人は今回初めて人を撃ったようだし、しかも今回は完全に向こうから仕掛けられているし、で、「"ファミリー"VS."ファミリー"」は無理である。少人数とは言えど相手は本物のマフィアなのだから。
 結果、本格的な闘争になれば彼ら一家に勝ち目はないのは道理であり、そうなると逆転するには短期決戦以外の道はない。

 だがしかし、このシーンを目玉に据えてCMを制作したのは正しい。だって、ここ以外に特にまとまった見所がないのだもの。
 ジョヴァンニが庭で新品のタイプライターを発見したことから己の半生を綴りはじめた時には、彼が仲間を売ってFBIの監視下に甘んじることにした理由が徐々に明かされるのかと思ったが、そんなこともなく、加えてジョヴァンニの人生も謎のままだ。

 作家と称したことからジョヴァンニが招かれた映画『グッドフェローズ』上映会では、マフィアの流儀か何かをうっかり語ってしまい人気者になったりしていたが、『マラヴィータ』の製作者スコセッシ繋がり&同じくマフィアが主題だからとそんなネタを入れられても「こんなつまらない映画でなにやってんのさ」以外に感想がない。
 ジョヴァンニと長年争い、そして今では彼の監視係となっているジョーンズ演じるFBI捜査官も、特に彼らの関係性がフォーカスされるわけではないので、演じる役の深みを出せず、某CMの印象のまま地球の観察に来ている宇宙人としか思えない。



 面白くなりそうな要素はあるのに、それを全く生かしきれずに謎を謎のままで放置する脚本と、冗長さが隠し切れない編集がイマイチすぎる一作。
 演出は悪くなかったと思うし、キャストもそれぞれ素敵だったんだけどね。

覚え書き(本に纏わるあれこれ):映画感想
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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 映画のタイトルになっている「マラヴィータ」は、ジョヴァンニ一家が飼っている犬の名前。
 原作ではこの犬にも多少の役割があるようだが、映画では特にない。
 映画タイトルが犬の名前と同じである意味はサッパリである。

Theme:映画館で観た映画 | Genre:映画 |
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