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映画『バスカヴィルの獣犬』感想:★★★☆☆

2013.11.13 Wed


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 またしても『バスカヴィル家の犬』。此度のは、2002年にBBCが制作したもの。
 アーサー・コナン・ドイルの原作に手を入れ、全体的にホラー寄りの仕上がりとなっている。


 BBCが制作しただけはあり、映像はなかなか見所がある。
 開幕早々、チャールズ卿の死因が病死である旨が述べられている検死法廷の外では天候が荒れ狂い不穏な空気を漂わせ、一方、刑務所から脱走した死刑囚セルデンを追う警官は知らずに踏み込んだムーアの底なし沼へと沈んで行く。中盤では原作に付け加えられた降霊術のシーンに、期待されたタイミングで登場する「獣犬」。
 と、かなり映像は頑張っているのだけれども、脚本がイマイチ。肝心のところで説明が不足気味なせいで登場人物の魅力が軒並み一割減じている感がある。

 伝説の「バスカヴィル家の犬」を理解不能な存在から、ありがちな忠犬モノに変えてしまったのも個人的にはガッカリポイント。
 ダートムアの荒涼とした雰囲気が抜群なだけに、伝説の犬は原作の通りに、外部から突如やって来ては凶悪な人間の忌まわしい犯行を塗りつぶす異形の存在で良かったのに。
 加えて、折角ありがちな伝説にしたからには、件の犬が今も徘徊し続けている理由が欲しかった。
 ご主人の遺体が行方不明で今も探しているとか、殺しきれなかった(のか?)憎き犯人を今度こそ抹殺するために、既に相手が墓の下にいるとも知らずに未だに探しているとか、ありきたりで良いからさ。


 ついでに言うと、日本語字幕もあまり宜しくない。「待ってる」なんて、「い」抜き言葉をホームズ物で見たくなかったぞ、私。
 他にも何箇所か首を捻る翻訳があったけれど、その点は字幕の制約のせいかもしれないので、まぁそれはそれで。
 ちなみに私はhuluで見たので、この字幕がhuluオリジナルな可能性はある。
 ああそれと、ホームズがトイレでコカインをこっそり嗜むシーンがあるそうなのだが、私がhuluで見たものには無かったように思う。







 ホームズ(リチャード・ロクスバーグ)の元を訪れた今回の依頼者は、モーティマー医師(ジョン・ネトルズ)。ダートムアを診療地域に持つ田舎医師である。
 彼はホームズに、バスカヴィル家の獣犬の伝説を語る。それはかつてのバスカヴィル家の領主ヒューゴが、嫉妬心から妻が村の男と不義密通の仲なのではないかと思い込み、無実の妻をムーアで打ち殺すに至ったことから発した伝説であった。
 ヒューゴが妻を殺したその時に、彼女が可愛がっていた大きな犬がヒューゴに襲い掛かったのだと言う。忠実なるその犬は、殺されても尚、牙をヒューゴの咽喉から離そうとはしなかった。
 一人と一匹の悲劇から後、そのムーアには「バスカヴィル家の獣犬」が徘徊するとの噂が立つこととなった。
 ……だがこれが単なる伝説であれば、まだ良かった。先日心臓発作で亡くなったバスカヴィル家の当主チャールズ卿の死体の傍で、モーティマー医師は見付けてしまったのだ。そこに残された、あまりにも大きな犬の足跡を。

 私の捜査範囲は現実だけだ、とモーティマー医師の話を退けようとするホームズだが、医師が今回依頼したいと望んでいるのは、亡くなったチャールズ卿の死の真相ではなく、新たな領主となるヘンリー卿(マット・デイ)の護衛なのであった。
 ヘンリー卿はチャールズ卿の甥にあたり、彼の死によってカナダからイギリスに戻って来ることとなっていた。
 一度はモーティマー医師の依頼を保留するホームズではあったが、ヘンリー卿の周囲で起こる怪奇な事件により、最終的にこの一件に着手することを決意する。
 だがダートムアの屋敷へと戻るヘンリー卿にホームズは同行せず、ワトソン(イアン・ハート)のみを派遣するのであった。



 ムーアに響く犬の如き声、バスカヴィル家の獣犬の伝説、そこかしこに点在する底なし沼。
 ダートムアの刑務所から脱獄した死刑囚セルデン、夜中に怪しい振る舞いに及ぶ執事バリモアと、すすり泣くその妻、チャールズ卿から遺贈された額を偽るモーティマー医師、霊媒師であるモーティマー夫人、ムーアで遺跡発掘に励む頭蓋骨マニアの隣人ステープルトンと、その美しき妹。
 グラナダ版の『バスカビル家の犬』よりも更に寒々としたダートムアの風景は素晴らしく、更に月光を背にムーアの岩の上に立つ男のショットなど抜群に良い。


 けれども、人物描写がおざなりで、更に物語の進行上必須の説明が不足気味だ。
 ホームズがダートムアに同行しない理由は、後にワトソンが同席した人間に語るシーンで明かされるが、それまでは特に説明されてはいないし、ホームズとワトソンの信頼関係がどれほどのものかもピンと来ない。
 二人の登場シーンが何故かサウナ満喫中な場面だったので、実はこれが重要な意味を持っていたのかもしれないが、あれで悟れと言われても無理だ。
 二人の関係性がよく分からないせいで、ワトソンがホームズの信頼に応えようと一人頑張る部分に共感出来ないし、後半にホームズが満を持してバスカヴィル家に現れるシーンも特に喜びがない。

 ただこれは、グラナダ版とは違い一回ぽっきりの映画である以上、ある程度は仕方が無い。この映画で視聴者は初めてホームズとワトソンに出会うこととなる以上、グラナダ版のドラマシリーズが毎週積み重ねたホームズへの信頼を視聴者は持ち得ない。
 そのせいで、ホームズの不在はそれほど不安要素とは見なされず、故に彼の再登場時にも感動がない。
 とは言えども、もう少し彼ら二人の関係性を描いて欲しかった。ワトソンがせっせと書いていた物がホームズ宛の手紙だなんて、そんな説明がどこかで成されていたのだろうか。彼らが再会するまで私には分からなかった。
 加えて、チラッと写っていたワトソンが書いていた挿絵が伏線だったのは、かなり意外。

 ホームズ、ワトソン以外の人物描写にも不満がある。
 原作ではモーティマー医師の趣味であった遺跡発掘と頭蓋骨への愛着がステープルトンに移されたのは、彼の不気味さを際立たせていて成功している。
 が、ムーアにかつての人間が暮らした痕跡が眠っているとの説明は成されていただろうか。いきなり白骨死体が出て来たおかげで、一瞬、ステープルトンが死体遺棄現場を掘りだしている最中かと思ったぞ。

 だが眉毛のキリリとしたステープルトンの「妹」の美しさは実に良い。あの美人ならば、そう長時間接した訳でもなさそうなヘンリー卿が、あれ程にのめり込んでいても、不思議ではない。
 原作では出番の無いモーティマー医師の妻を霊媒師としたのは、あのシーンのためなのだろうが、それはそれでバスカヴィル家の獣犬の存在感を増させており、成功だと思う。
 原作にないと言えば、舞台設定をクリスマス前の冬とし、終盤でバスカヴィル屋敷でクリスマスパーティーを開かせたのもなかなか良い。犬の被り物で演じられる劇は、どこかグロテスクだ。

 が、バスカヴィル家の獣犬に付け狙われる存在であるヘンリー卿の存在感が薄い。薄すぎる。
 彼に魅力がないがために、彼の生死の興味が持てず、バスカヴィル家の悲惨な伝説が彼をも呑み込むのかに関してどうでもいい気分になってしまう。


 さらに、ホームズが犯人を見破った理由がよく分からない。
 彼が件の肖像画に似ていると知るのも、彼がある写真を持っていると知るのも、ホームズが彼が犯人だと言い切ってからだ。彼の身分が確定されないと、犯行の動機が分からないのではないかと思うのだが。
 今回はフランクランドは名前も与えられていない有様な上に、彼に勘当された娘は完全に登場せず、こちらの線からホームズが真相に近づくのは不可能だ。

 とは言え、私が見たhulu版にはカットされたシーンがあるようだから、そこにその手の伏線が張られていたのかもしれない。


テーマ別:ホームズ|覚え書き(本に纏わるあれこれ):
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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シャーロック・ホームズとバスカヴィル家の犬(コレクターズ・エディション)


 『バスカヴィル家の犬』を原作とするゲームを見つけた。Windows対応のブラウザゲーのようだ。
 バスカヴィル家を捜索し、事件の謎を解くという主旨らしい。
 アメリカで人気だと聞く「アイテム探し」タイプのゲームなので、ぽちぽちクリックするだけでプレイすることが可能。
 お試し動画を見たところ、音楽も凝っていてなかなかよさげ。

 興味のある方は、上のリンクから販売元のBig Fishのサイトに飛び、右上の「Big Fishホームページ」からホームに行き、左側にある「トップジャンル」から「アイテム探し」を選択。
 するとゲーム一覧が出てくるので、そこから『シャーロック・ホームズとバスカヴィル家の犬』を探し出してください。右下の方にあります。
 『シャーロック・ホームズとバスカヴィル家の犬』は、通常版とコレクターズ・エディション版の二種類があり、後者の方がややお高いものの色々と特典が付いている模様。
 通常版は新規客ならば250円で購入可能。
 どちらの版も1時間無料でお試しプレイが出来るので、実際に遊んでみてから購入を考えることが出来る。


 私も気になるので、その内にプレイしてみようかな。その際には、もう片方のブログで感想を書くつもり。

Theme:映画感想 | Genre:映画 |
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