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『ニンジャスレイヤー ザイバツ強襲!』感想:★★★☆☆

2013.07.24 Wed


ニンジャスレイヤー ザイバツ強襲!【ドラマCD付特装版】

ブラッドレー・ボンド フィリップ・N・モーゼズ
エンターブレイン 2013-06-29
売り上げランキング : 1368
by ヨメレバ


 第二部キョート殺伐都市の第一巻。
 通常版に加えて、ドラマCD付特装版も登場。後者の方が700円ほど高い。
 ドラマCD収録エピソードは「ラスト・ガール・スタンディング」、「メナス・オブ・ダークニンジャ」の2本。

 通常版・ドラマCD付特装版ともに、収録作品は同一。
・「ロンサム・パイン・アンド・ツー・ニンジャズ」
・「キックスタート・ア・ニュー・デイ」
・「マーメイド・フロム・ブラックウォーター」
・「リキシャー・ディセント・アルゴリズム」
・「オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ホイール・オブ・ブルータル・フェイト」
・「ソード・オブ・ザ・ビトレイヤー」
・「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」
・「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」


 最後の「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」を読むまで「ザイバツ強襲」を「ザイバツに強襲」だと思い込み、「一体いつ強襲するんだろう?」と首を傾げ続けていたのが私です。
 「ザイバツに強襲」ではなくて、「ザイバツが強襲」なのね。

 そのザイバツが強襲する相手は、ネオサイタマを支配していたソウカイヤ。
 ソウカイヤがニンジャスレイヤーの手により崩壊した今、キョート共和国を本拠地とするソウカイヤが、日本の首都ネオサイタマを手に入れるべく動き出したのだ。
 一方のニンジャスレイヤーは、ソウカイヤの首領ラオモト・カンを下したものの、彼の復讐は未だ決着を見てはいなかった。
 完全なる復讐を果たすために、ニンジャスレイヤーは新たなる敵ザイバツに立ち向かう。舞台はネオサイタマを飛び出し、キョートまでをも巻き込み、大きく広がっていく。








 「ロンサム・パイン・アンド・ツー・ニンジャズ」は、twitter連載時の「リキシャー・ディセント・アルゴリズム」の一部分を独立させ、新たに書き直されたもの(※1)。
 舞台はキョートと日本の間に横たわる呪われた地、バトルフィールド・セキバハラ。セキガハラではない、セキバハラである。
 江戸時代に壮絶な戦が行われたこの地は現在でもなお恐れられており、人っ子ひとり見えはしない……はずであった。
 だがそこにゆうゆうと歩き来る人物があった。彼の纏う装束は赤黒。顔の下半分を隠すメンポに踊る文字は「忍」「殺」。そう彼こそがニンジャスレイヤーだ。
 だが彼は今、憔悴していた。それもそのはずだ、ニンジャスレイヤーはここ一ヶ月も常に誰かから追跡され続けて来たのだ。並みの精神の持ち主ならば、とうの昔に発狂していただろう。
 流石のニンジャスレイヤーとても、疲労は隠せない。そんな隙を狙うのは、当の追跡ニンジャ・フォビアだ。だが一ヶ月もの追跡劇は追跡者をも疲弊させていた。
 しかしそれも、もう終わりである。長い持久戦の末についに、フォビアは勝機を掴もうとしていた。



 「キックスタート・ア・ニュー・デイ」もまた、twitter版「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」の一部を独立させ、加筆再構成した書籍オリジナル版となっている(※2)。
 ラオモト・カンとの激闘の直後から物語は幕を開ける。
 すっかり消耗したニンジャスレイヤーではあったが、彼はまだ休める状況にはなかった。トコロザワ・ピラーは今、ネオサイタマの警察により包囲されてしまっているからだ。
 悪辣非道の人物とは言えどもラオモトは歴とした一市民であり、それを殺害したニンジャスレイヤーはこのまま捕まれば罪に問われるのは明らかだ。
 しかし包囲網は強固であり、そしてニンジャスイレヤーは消耗し切っているのだ。その上、合流したナンシー・リーをも無事に脱出させねばならない。
 だが進退窮まった彼の前に、とある人物が颯爽と現れる!

 久しぶりのヤモト・コキ登場に、彼女を「高校生ニンジャ!!」と狂喜しながら追い詰めるニンジャ・モスキートの、いっそ清清しいほどの変態さも見所。



 ソウカイヤの崩壊と共に、ネオサイタマの闇社会は大きな変貌を遂げた。だがそれは、まだネオサイタマの一般市民には関係のない話ではあった。
 そんな中、ニンジャスレイヤーことフジキドは、修理に出した己の愛機アイアンオトメをバイク鍛冶屋へと引き取りに向かった。
 鍛冶屋兄弟の腕は確かであり、フジキドも満足して立ち去るのだが……実はアイアンオトメのUNIX電子キーはなんと、鍛冶屋の弟カキオによって拝借されていたのだ。
 カキオがそのキーを使い目論むのは、彼が偶然川岸で発見したアンドロイドの復活だ。無残な姿で横たわっていたそのオイランドロイドに何故かカキオは惹かれ、兄の目を盗んでせっせと修復して来たのだった。
 彼の努力が実り、ついにオイランドロイドが目覚める。彼女はカキオに微笑む。「私の名前はエトコです。最初に決めた名前は変えられません」。
 だがこのエトコには、秘密があった。
 その秘密もろともエトコを破壊するべく、ザイバツに所属するニンジャ・デスナイトが動き始める。
 「マーメイド・フロム・ブラックウォーター」
 一方、フジキドはアイアンオトメの電子キーが何者かによって使用されていることを知る。問い詰めるべくバイク鍛冶屋へ向かった彼が見たものは……。

 アンドロイド、人に良く似た人ならざる物。彼らに魂はあるのや否や? 彼女たちはただ「それらしく」振る舞っているに過ぎないのだろうか。
 アンドロイドの瞳を覗き込んだが故に囚われた、二人の男の結末が悲しい一編。



 「リキシャー・ディセント・アルゴリズム」の舞台となるのはキョート。日本から独立した国家であるキョートの諸事情が、ここで初めて語られる。
 アナカはキョート共和国の都市ガイオンで、リキシャードライバーとして働いている。観光客や日本からの出張客を人力車にのせ運ぶのが仕事だ。
 客たちは口々にガイオンの美しさを褒め称えるが、けれども彼らが知る「美しい」ガイオンとはアッパーガイオンに過ぎないのだ。
 美しくないものはその下、アンダーガイオンに押しやられている。その上、アッパーガイオンに対して、アンダーガイオンが何十もの層を成し、地下深くまで広がっているのだ。
 地表に近い層ほど安全で快適な生活が出来、当然ながら裕福な者しか住むことは叶わない。アッパーガイオンに住めるのは、全ガイオン市民のほんの一部だけに限られている。
 マナカはアンダーガイオンの下層出身者である。幾重にも重なるアンダーガイオンをじりじりと這い上がり、ようやっとリキシャードライバーにまで漕ぎ着けたのだった。
 彼は病弱で大気汚染に敏感な妻のために更なる上昇を目指しているのだが、彼の堅実な暮らしは同僚の一部の反感を買っており、なかなか上手くはいかない。
 だがある日、ヨロシサン製薬のサラリマン(サラリーマン)を名乗る客がフロッピーを忘れていったことから、マナカの人生は大きく変わる。
 フロッピーに書かれていた文字を見たマナカは、ここにはきっとヨロシサン製薬の内密な情報が入っているのだと推測したのだ。
 ヨロシサンと言えば誰もが知る大企業だ。その社内秘の情報ならば、金になるに違いない。
 そう信じたマナカは、そのフロッピーを握り締めると、信頼できる知人であるタカギ・ガンドーの元へと相談に向かう。

 復讐のためザイバツの破壊を決意したニンジャスレイヤーは、フォビアとの争いの果てにようやっとキョートへとたどり着いた。
 だがキョートに関して無知である彼は、まずナンシー・リーに紹介された私立探偵タカギ・ガンドーの事務所へと向かうことにしたのだが。
 ニンジャとも渡り合えるピストル・カラテの熟練者にして、重度のZBR中毒者であるタガキ・ガンドー、そしてニンジャ・シャドウウィーヴ初登場の回。



 「オン・ジ・エッジ・オブ・ザ・ホイール・オブ・ブルータル・フェイト」では、ニンジャスレイヤーが全ての始まりとなったスゴイタカイ・ビルでの抗争の真実を知るために、ナンシー・リーに調査を依頼したことが切っ掛けとなる。
 ソウカイヤとの戦いの中で消耗を強いられてきたナンシー・リーは、調査の途中でトラップに引っかかったのだ。彼女もそれを認識しており、ザイバツの魔の手が及ぶ前に逃げるべく手を打ったと言う。
 だがザイバツの動きは素早く、一方のナンシーはハッキング能力を最大限発揮し続けるために飲み続けたザゼンの中毒に陥っており、身動きがとれない。
 ニンジャスレイヤーはそんな彼女を助けるべく、そして当のソウカイヤ所属ニンジャから直に話を聞くべく、ボーツカイに立ち向かう。

 ボーツカイが「棒使い」だと今気が付いたよ……。まさかそんな投げやりなネーミングだとは、考えなかったんだよ。
 ナンシーを抱えて窓からダイブしたニンジャスレイヤーが、落下しながら「ここは何階だったか?」とナンシーに聞くシーンで思わず笑ってしまった。例え50階でも平気そうだけど。
 ソウカイヤに協力していたはずのイモータル・ニンジャ・ワークショップが、ボーツカイにゾンビニンジャを提供するなんてきな臭い動きをしていたりと、今後の展開が楽しみだ。
 典型的な負けキャラかと思われたボーツカイ=サンも、最後に意地を見せてくれたしね。
 それにしてもナンシー・リーは一体何者なんだろう? 確かに彼女については、まだまだ謎が多い。



「ソード・オブ・ザ・ビトレイヤー」は書籍版のみに収録。
 ソウカイヤの首領ラオモトに最も忠実と謳われていたにも関わらず、ダークニンジャはソウカイヤに背を向けた。
 そんな彼が次に忠義を誓った相手は、ザイバツ・シャドーギルド。ソウカイヤの抗争相手にして、ラオモト亡き後の混乱に乗じてネオサイタマへと襲い掛かった、憎き敵であるはずのザイバツであった。
 いくら力があろうとも一度主君を裏切ったダークニンジャを、ザイバツもそう簡単に迎え入れはしない。彼の忠義を試すための試練が今、課されようとしていた。

 ザイバツがネオサイタマを狙っていたように、ソウカイヤもまたキョートに探りを入れていたことが分かるエピソード。
 だがその野望もラオモトの死と共に挫け、更にはダークニンジャの手によって壊滅させられてしまうのだが。
 ニンジャスレイヤーが復讐のために動いているように、ダークニンジャにもまた何らかの「理由」があることが示される。
 その理由以外は、彼にとっては全て茶番に過ぎないのかもしれない。



 続く「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」にて、ダークニンジャの素顔を少し覗くことが出来る。
 ソウカイヤの裏切り者であるダークニンジャのザイバツ加入を快く思わない者は多い。ザイバツ幹部でありグランドマスター級ニンジャであるイグゾーションもその一人だ。
 彼は今、ザイバツの首領ロードの指示により、とある人物を探していた。相手は考古学者のウミノだ。
 考古学者であるウミノはかつてザイバツの指示の下でとある遺跡の発掘を行っていたのだが、彼はなんと突然失踪したのだ。ザイバツによって彼の研究は万全のバックアップを得られていたにも関わらず、だ。
 それは遺跡で恐るべき事実を知ったからだとされており、それゆえにザイバツは身柄の確保を急いでいた。彼こそはザイバツの追い求める真実への鍵となるかもしれないのだ。
 だがこの任に当たるイグゾーションには別に一つの魂胆があった。イグゾーションが気に食わぬ相手であるダークニンジャ、彼がダークニンジャとなる以前、一介の人間フジオ・カタクラだった時代に、彼はウミノに従事していたのだ。
 ようやくイグゾーションの部下がウミノ発見の一方を齎した。ウミノは偽名を用いた上で刑務所ザシキ・ダンジョンに収監されていると言う。

 一方、裁判所では重犯罪者ゴトー・ボリスに対する死刑判決が読み上げられていた。だがゴトーは揺るがない。彼は盲目的に自分の命運を信じていたのだ。
 そしてその思いは叶う。ニンジャソウルが憑依し、恐るべき術を持つニンジャ・デスドレインへと変貌したのだ!
 さっそく裁判所内の人間を殺戮した上で脱出を果たした彼は、落ちていた新聞により「ソバシェフ・ランペイジ事件」を知る。
 事件の首謀者ゼンダの破壊衝動に関心を抱いたデスドレインは、彼に会うべく捜索を開始した。

 ニンジャスレイヤーことフジキドもまたウミノを追い、わざとザシキ・ダンジョンに収監されることに成功する。だが彼に分かるのは、ウミノがこの刑務所のどこかにいるということだけ。
 フジキドと偶然同じ房となった囚人の一人は、このザシキ・ダンジョンからの脱獄を計画しており、フジキドに協力と見返りとして「妙な囚人」についての情報を齎す。その人物こそがウミノだと見抜いたフジキドは、彼が収監されている独房へ行くために芝居を打つ。
 更にフジキドと同日に同じ房に入った新入り仲間は、なんとゼンダその人で。

 ザシキ・ダンジョンで合間見えた三人のニンジャの行く末や如何に?

 ダークニンジャの求める物がぼんやりとその輪郭を見せ始める、なんとも気になる物語。
 更に初登場となるイグゾーションの強さ、デスドレインの極悪さ、ゼンダの生き様も衝撃的。



 本書のラストエピソード「ウェルカム・トゥ・ネオサイタマ」では、この第二部開幕の全貌がようやく判明する。
 ニンジャスレイヤーによりラオモト・カンが倒された直後、キョートを本拠地とするザイバツによるソウカイヤ関連施設への攻撃が開始される。ネオサイタマのあちこちに上がる火の手。
 頼るべき首領を失った上に、突然のザイバツの襲撃により、あれほどの権勢を誇ったソウカイヤが成す術もなく崩壊していく。この世は所詮ショッギョムッジョであり、驕れる者も久しからずなのだ。
 全くもってウェルカムされてはいないが、そんなことはお構いなしにザイバツがソウカイヤの残党を駆逐しながら、ネオサイタマを走る。
 そしてニンジャスレイヤーの新たな戦いの幕が、切って落とされたのでありました。


 舞台がネオサイタマとキョート、あるいはセキバハラと動くために分かりにくかった。
 それに加えて誤字が複数箇所あり気になる。twitter由来の謎の空行には慣れた。
 CD付きの方を買ったので、その感想も書こうと思ったが、現時点で既に長すぎるので割愛。気が向いたら別の記事として書くかもしれない。

※1:ニンジャスレイヤー@wiki「ロンサム・パイン・アンド・ツー・ニンジャズ」ページより。
※2:ニンジャスレイヤー@wiki「キックスタート・ア・ニュー・デイ」ページより。


テーマ別:忍者|出版社別:エンターブレイン
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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