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METライブビューイング2012-2013『仮面舞踏会』感想:★★★★★

2013.01.18 Fri


METライブビューイング2012-2013


 1月は毎週あるよ、なMETライブビューイング。正直財布が痛いのだが、新演出とのことなので今回も見に行って来た。
 1月2週目はヴェルディの『仮面舞踏会』。
 今シーズンでは『オテロ』と同じくらいに個人的には好き。演出と言うよりも、舞台装置が華麗で素晴らしい。ただどうしてイカロスをこれほどまでに全面に押し出して来たのかは、サッパリ理解出来なかったが。

 大がかりな舞台装置も素敵だが、舞台狭しと大量に登場するキャストたちの迫力と、息の合ったダンスが圧倒的。
 「最近のオペラでは歌って演じて、更には踊らなくちゃならんのか、大変だなー」と思わなくもなかったが。



 今作の指揮はファビオ・ルイージ、演出はデイヴィット・アルデン。
 出演は、グスタヴ3世:マルセロ・アルヴァレス(テノール)、アメーリア:ソンドラ・ラドヴァノフスキー(ソプラノ)、アンカーストレム(レナード):ディミトリ・ホヴォロストフスキー(バリトン)、ウルリカ:ステファニー・ブライズ(メゾソプラノ)、オスカル:キャスリーン・キム(ソプラノ)。

 レナード役のホヴォロストフスキーが良心の徒から復讐の鬼へと変わる役どころを非常にスタイリッシュにこなしていて、もうそれだけで私は満足でした。
 オスカル役のキャスリーン・キムは今回まるで小人のようで、ズボン役と言うよりも道化に近く、この三角関係が濃縮されて裏切りへと発展する物語の中で非常に心休まる息抜きどころであった。








 賢王として名高いグスタヴ3世は、けれども既に世に厭いている。
 王に恨みを抱く一派が暗殺を目論み蠢く中、レナードは必死に王を守り、同時に彼に心から忠実に仕えていた。
 だがグスタヴには一つ、レナードには決して言えない秘密があるのだ。彼はレナードの妻である、美しいアメーリアのことを密かに愛しているという事実。
 だがそれは、グスタヴの片思いのはずであった。片思いのままに終わるはずであった。
 しかしグスタヴはひょんなことから、アメーリアもまた彼のことを愛していることを知ってしまった。

 お互いの想いを知り、喜びに耽る2人。だがレナードは彼女の妻であり、彼の忠実な部下なのだ。裏切ることなど、出来ない。
 グスタヴはアメーリアへの思いを断ち切るために、レナードを昇進させアメーリアを伴って遠くに赴任するようにとの辞令を書くが、その頃レナードは妻とグスタヴの心の内を知ってしまったのだった。
 二人の関係を深く誤解したレナードは激怒する。今まで心から仕えていた主のこの仕打ち! 今まで愛していた妻から喰わされるこの屈辱!
 今まで何度も退けてきた王の暗殺を狙う一派に、レナードは協力を申し出る。その代わり、王をこの手で殺させてくれと希望するのであった。

 一方、何も知らないグスタヴは、今夜の仮面舞踏会にアメーリアが出ると知り喜びを抑えきれない。
 彼女が遠くに去ってしまう前に、最後に一目その姿を見たいのだ。
 夫の怒りを知るアメーリアは彼がこの舞踏会でグスタヴの暗殺を企てていることを察知し、彼に警告する。
 アメーリアを支点として捻れたグスタヴとレナードの関係は、果たしてどこに辿り着くのだろうか。



 アメーリアとグスタヴが互いの想いを知り歌う二重唱「ああ、何と心地よいときめきが」の美しさと、アメーリアとグスタヴの裏切りを知り、レナードが歌う「おまえこそ心を汚すもの」の激しさと悲しさが対比となっており、実に満足した。
 最後のグスタヴの配慮が、レナードを救うのか、それとも殺すのかは何とも言えないところでもある。

 それと、グスタヴとアメーリアの心の変化の時系列が良く分からない。レナードとアメーリアは別段愛のない結婚だった訳でもないようだし。
 それに例え愛がなくとも、あれほど勇敢に王を守る気概を見せる夫よりもグスタヴに心を奪われるアメーリアが良く分からない。レナードの方が断然良い男じゃないですか。
 更に言えば、グスタヴが良い王様だとはとてもじゃないが思えない。民衆に愛される王なら、もうちょっと今生に根を張るだろうに。

 そしてやはり最後まで、舞台装置で大きな印象を占めるイカロスとグスタヴの関連性が謎。
 最初は占い師ウルリカから、次にはアメーリアから警告を受けたのに、それでも危険を回避出来なかったところをもって、類似点とするのだろうか。
 けれどイカロスには「高く飛びすぎた」が故の死との印象が強く、それがグスタヴには見られない以上、なんだか納得いかない。
 イカロスの如き偽物の羽根を付けて登場するオスカルも、果たしてどういう意味があったのか把握出来なかった。ただの道化としての要素なのか。

 ただ仮面舞踏会のシーンで突然イカロスが天井絵から立体として飛び出してきたりと、その意外な使い方は面白かった。
 グスタヴの執務室、レナードの部屋と、シンプルながらも充分に要素を示してみせる舞台配置には正直、唸らされた。
 あまり出番のないウルリカも、いかにもな女占い師然とした威厳があってなかなか好印象。逆にアメーリアの印象が少し薄かったかな。


覚え書き(本に纏わるあれこれ):オペラ感想
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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 『皇帝ティートの慈悲』に続いての、「この王様は本当に名君なの?」な疑問を感じる設定でありました。
 しかしそろそろ明るく楽しい喜劇が見たいぞ、私。なのに、来週『アイーダ』でその次が『トロイアの人々』、更に『マリア・ストゥアルダ』だなんて、正直ハードすぎる。

 ハードと言えば、関西唯一のMETライブビューイングのアンコール上映が三宮なのも酷い。しかも朝10時からとか、難易度上げすぎ。
 折角だからディミトリ・ホヴォロストフスキーが出演した『椿姫』は是非とも見たいのに、時間的に魔法でも使わないと無理だぞコレ。
 今からせっせと仕込めば、時間を捻り出せるかなぁ……。

Theme:オペラ | Genre:音楽 |
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