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プラハ国立劇場オペラ『フィガロの結婚』感想:★★★☆☆

2013.01.04 Fri


パンフレットは1,500円


 3日の大阪はオリックス劇場(旧・大阪厚生年金会館)で行われたプラハ国立劇場オペラ『フィガロの結婚』を見に行って来た。
 私ですら知っている曲がいくつも登場する有名かつ華やかなこの作品は新年早々に見るには相応しい上に、このオペラの作者であるモーツァルトを最も愛した街との自負を持つプラハ国立劇場オペラによる公演と、期待するには十二分の要素を備えている。



 私が見た3日オリックス劇場でのキャストは以下。
 指揮:ヤン・ハルペツキー
 演出;ヨゼフ・プルーデク
 舞台美術:ヤーン・ザヴァルスキー
 衣装:エヴァ・ファルカショヴァー=ザーレシャーコヴァー

 フィガロ:ミロッシュ・ホラーク
 アルマヴィーヴァ伯爵:イジー・ブリクレル
 伯爵夫人:イザベル・レイ
 スザンナ:ヤナ・シベラ
 ケルビーノ:ミハエラ・カプストヴァー
 マルチェッリーナ:イヴォナ・シュクヴァロヴァー
 バルトロ:ルジェク・ヴェレ
 バジーリオ:マルティン・シュレイマ
 ドン・クルツィオ:ヴァーツラフ・レムベルク
 アントーニオ:カレル・ドゥラーベク
 バルバリーナ:オレシア・パラノヴァ








 『フィガロの結婚』は、ボーマルシェ作の戯曲フィガロ三部作の同名の二作目を原作とするオペラ。
 前作『セビリアの理髪師』にて、フィガロの活躍によって大きな困難を乗り越えて結婚したアルマヴィーヴァ伯爵とロジーナであったが、現在では元々が火遊び好きな伯爵はその趣味を既に取り戻しており、伯爵夫人となったロジーナは夫の愛が薄れたことを、その癖に嫉妬深いことを嘆いている。
 一方のフィガロは活躍を認められ、今や伯爵の家来となっていた。しかも、こちらは夫人付きの小間使いであるスザンナとの結婚式を今日行おうとしており、喜びの最中にいる。

 だが遠くの女との遊びに飽きた伯爵は、妻の小間使いであるスザンナに色目を使っており、フィガロとの結婚を前にかつて自分自身で廃止した領主の権利「初夜権」の復活を目論んでいた。
 この権利を駆使して、スザンナとよろしく楽しもうと言うのだ!
 事態を知ったフィガロは当然のことながら、憤慨。かつて助けて差し上げた伯爵のこのお返しに憤りもひとしお。ここは一つ、伯爵の鼻を明かしてやろうと息を巻く。
 しかし伯爵とて負けてやる気は無い。フィガロに「金を貸す代わりにそれが返済出来なければ自分と結婚する」との証書をかつて書かせたマルチェッリーナは、彼の結婚契約を知った今、借金をカタにフィガロに結婚を迫り、しかもそれを有効と認めるか無効と退けるかは伯爵の采配次第なのである。
 そこに『セビリアの理髪師』でフィガロに一杯食わされたバルトロ、バジーリオの二人がその復讐のために伯爵に手を貸し、更には女という女に惚れる恋に恋する年頃の問題児ケルビーノが全てをかき乱す。

 はてさて、フィガロは無事にスザンナと結婚することが出来るのでしょうか。
 波乱の一日の始まり始まり。


 と言うのが大筋。ちゃんとハッピーエンドで終わるので、その点は心配はご無用。

 根っからの正直者とはほど遠いけれども当たり前の常識を持つ「フィガロ」という一種理想の一般人が、伯爵という本来は歯も立たないはずの権威に、智恵と機転で立ち向かう様がメイン……のはずなのだが、それを引っかき回すケルビーノの存在感は大きい。
 ズボン役が務めるケルビーノはようやく大人になりつつある多感なお年頃で、それなのに既に女に目がなく誰彼構わず追いかけ回してしまう。けれども、自分のことすら分からない彼には、自分が不誠実だとは判断出来ない。彼は純粋なのだ。
 この面倒なケルビーノだが、誰しもこんな思春期があったのであって、だからこそ彼を愛おしく思う。愛おしく思えなければ、このオペラはその面白みの多くを失ってしまう。
 フィガロ、伯爵、ケルビーノと騒がしい面々が多い中で、伯爵夫人の憂いを帯びた存在がまた引き立つ。
 更にフィガロに結婚を迫る、彼の母親でもおかしくないような歳のマルッチェッリーナや、これ幸いとフィガロに一撃を加えてやろうと張り切るバルトロ、バジーリオも混じり、この互いの関係性が最後に意外な「オチ」を用意する。
 第一幕のオーケストラオンリーの序曲の名曲から始まり、最後のハッピーエンドまで聞かせる曲も多く、CM等でお馴染みの曲とも出会える。


 個人的にはケルビーノの「自分で自分が分からない」、「恋とはどんなものかしら」が好きだ。
 ただ今回のは、うーん、悪くはなかったけれど、胸を打たれるような出来映えとはいかなかった。
 ここ最近見たオペラがどれも演劇性をも重視するものだったばかりか、今回の『フィガロの結婚』は少し肩すかしな印象。
 随分と笑える箇所があるハズなのに、客席からの反応も薄かったかなぁ、と。
 あと拍手のタイミングがいつも若干早すぎた気が。ちょっと気の毒だよ。
 ただ全体的にはオーソドックスに纏まっており、その点は良かった。

 衣装も無難というかキッチリしていて好印象。
 ケルビーノが途中から着る大きすぎる士官服(?)が、いかにも「らしく」てこの演出は良いなと思った。
 伯爵夫人は何度も衣装を変えていたが、どれも素敵。
 対して準主役のはずのスザンナが、ほぼ着たきりスズメだったのは何故。
 設定として召使いなのだから、衣装が豊富な訳がないのは分かるが、それでも結婚式のシーンくらい花嫁衣装を着せてあげて欲しかった。
 第一幕で舞台に出てた女物の服は結婚式用だろうし、更には帽子までわざわざ作ってたのにさ。
 ただそうなるとマルッチェッリーナも衣装変えなくちゃならなくなるから駄目だったのだろうか。

 マルッチェッリーナと言えば、第四幕で「スザンナの味方をしてやろう」と決意表明する部分がバッサリ切られていた。
 私はあのシーンで初めて、あぁ彼女はそう悪い人間ではないんだ、一度結婚のチャンスを逃がしてしまったからこそ借金の代わりに結婚との契約に拘ったのかなと、一種の納得と彼女の人間像を見直したので、それが無くなってしまうのは残念だった。

 全体としては、みんな溌剌と演じていて、こちらまで爽やかな気持ちになる公演ではあった。
 後はもっと笑わせてくれれば良かったのに。笑える箇所が近づく度に期待してにやにやしながら待っていたのに、不発のままで終わることが多かった。
 ただその反面、第三者から見れば紛れもなく喜劇でも、当事者にとっては伸るか反るかの大まじめな修羅場なんだな、としみじみ感じた。当人たちが真剣であればあるほどに、他者から見た時の喜劇性もまた大きくなるのだ。



 それと、最後にケルビーノは軍隊行きを免れたのだろうかと疑問に思っていたのだが、原作では三作目にして最終刊では既にケルビーノは戦死しているそうだ。
 戦死と言うことは戦争に荷担しているということで、つまりはやっぱりあの後に軍隊行き?
 しかもしかも、三作目ではケルビーノとアルマヴィーヴァ伯爵夫人の間には一夜の過ちから息子ができており、更には伯爵はよその女に産ませた娘を事情を隠して屋敷で育てているとの設定なんだとか。
 どうせ伯爵の浮気はまた再発するだろうとは思っていたが、三作目では事態が深刻になりすぎ。


覚え書き(本に纏わるあれこれ):オペラ感想
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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 乗り換えが面倒だと理由で大阪市営地下鉄御堂筋の心斎橋駅から会場に行こうとしたら、盛大に道に迷った挙げ句に面倒になってタクシーに乗ってしまった。
 帰りは人混みに乗れば無事に帰れるだろうと目論んだが、途中で炎に引かれる蛾のようにカフェにインしてしまい、そこから先の道で迷った。
 たぶん次にまた行く機会があっても、無事に辿り着けないと思う。

 そんなオリックス劇場がこちら。

オリックス劇場


 なんて微妙な写真なんだ、というのは置いておくとして、見た目はちょっと古いかなぁと思ったものの、去年リノベーションを終えたばかりらしく、内装は綺麗。

入って直ぐのフロア


 ただクロークがないのが想定外だった。
 この季節にクロークがないのは辛いよ。

Theme:オペラ | Genre:音楽 |
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