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2012年読書まとめ

2013.01.02 Wed


服を着せたらひたすら後ろ向きに歩くようになった


 あけましておめでとうございました。
 新年早々、去年1年間の感想メモを振り返り、特に私が気に入った作品たちの中から個人的ベスト3を決めようと言う一人完結型の記事をお送りいたします。


 去年書いた感想記事は、私の計算が正しければ49。内、星5つ付けたのは11記事でした。
 まずはその11の作品を簡単にご紹介。記事名を踏むと各記事に飛びます。
 並び順は単純に私が読んだ順であり、下に行くほど最近読んだものになります。








『かくれんぼ・白い母 他二篇』
 :ソログープの短篇を4作収録。淡く溶けて消え去る雪のような、それでいてどこか背徳的な雰囲気を孕んだ短編集。
雑誌「幻想と怪奇」VOL.1 NO.3
 :黒魔術特集の号。マイリンク、種村季弘訳になる「レオンハルト師」が圧巻。
『ファウスト 悲劇第一部』(中公文庫)
 :日本語の響きに重きを置いたゲーテ『ファウスト』の日本語訳。
『ファウスト 第一部・第二部』(集英社文庫ヘリテージシリーズ)
 :分かりやすさに重点を置いたゲーテ『ファウスト』の日本語訳。
『マンク』(幻想文学大系 第2巻)
 :中世マドリッドの教会を舞台に巻き起こる名望高きアンブロシオの破滅と、その余波から再生する2組の男女の物語。
『ホフマン短篇集』
 :ホフマンの短篇6作品を収録。一瞬の泡のように産まれ、そして消え去っていく「奇妙」な人々の物語。
雑誌「大人の科学マガジン Vツイン蒸気エンジン」
 :付録も力作ながら、雑誌の内容も基本的なところにも力を入れてあり、好印象。
『巨匠とマルガリータ』
 :ある暑い夏の日、モスクワに悪魔の一行が現れて……。悪魔たちが立ち去るまでに引き起こされる人間たちの悲喜劇が見物。
『鏡の歴史』
 :人類誕生と共にあり、夢と技術の両面で人類の友でありつづけた「鏡」の歴史と、そこに人間たちが何を見て来たかを記した1冊。
『ファウスト博士』
 :第二次世界大戦末期、敗色の濃いドイツの片田舎に隠棲した老いたる男が記述する、過ぎ去った友人アドリアンの青春と才能と、そして彼の犯した罪とその最期。
『夏の夜の夢・あらし』
 :言わずと知れたシェイクスピアの「夏の夜の夢(真夏の夜の夢)」と「あらし(テンペスト)」を収録。人間よりも大いなる存在の気配に満ちた、健全な世界観が作品を包む。


 こうして並べると、悪魔が跋扈しすぎ。全体的に背徳感が満載すぎる。
 お陰様で、間に入る「大人の科学」や『鏡の歴史』の異物感が酷いことになっている。
 とは言え、ファウスト筆頭に悪魔関連は他にも買ったまま積んでいるのが大量に存在しているので、今年も少しずつでも崩していければ良いなぁ、と。
 世界幻想文学大系もそれなりに揃って来ている割にサッパリ読んでいないことだしね、ってこれは去年も思った記憶があるようなないような。

 そんな中から選んだ、個人的なベスト3は以下。


1位

マンク

マシュー・グレゴリー ルイス 国書刊行会 1995-06
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 上記の作品群で最も倫理的に問題作を一番に選びたい。
 世俗を知らぬが故に純潔であったアンブロシオの、教会以外の世界を知ったが故に転落していく姿は醜悪極まりない。あまつさえ彼は己の罪を女の美しさに転嫁しようとさえする。
 けれども、その醜さを目にしてもまだ、アンブロシオを断罪しようとは私には思えなかった。私は彼の罪を問える程に、綺麗ではない。
 アンブロシオを筆頭に登場人物には血肉が通い、誰の行いをも否定しがたい。
 唯一世俗を超越した美しい存在で在り続けたアントニアが物語の終盤で退場させられるのが、なんとも印象的でもあった。

 私が読んだのはAmazonに書影のない世界幻想文学大系の2巻だが、上の画像は新装版。
 映画化に伴い、その映像を使った更なる新装版も出ている。


2位

巨匠とマルガリータ

ブルガーコフ 郁朋社 2006-11
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 悪魔物から、ヴォランド一行の振るまいと、それに振り回される人間たちの対比が鮮やかな作品『巨匠とマルガリータ』を2番目に。
 笑いながらも人間の小ささと限界に涙する、そんな一作。
 途中挿入される作中人物である「巨匠」作という設定のポンティオ・ピラト物語が、当初の異物感から徐々に物語の一部と化し、巨匠の物語こそがそれを包む外側の物語のラストを呼び込む構造が素晴らしい。

 ブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』は複数の出版社から出ている。
 上記の郁朋社から出たものよりも、池澤夏樹個人編集 世界文学全集『巨匠とマルガリータ 』の方が評判が良い。


3位

ファウスト博士(上) (岩波文庫 赤 434-4)

トーマス・マン 岩波書店 1974-06-17
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 ゲーテの『ファウスト』ではなく、トーマス・マンの作品を。
 ファウスト物語はゲーテよりもより民衆本に近いマーロウ版の方が個人的には好みかな。ファウストは地獄に堕ちるべきだ、それも己の諦観によって。己の選択によって。
 ファウスト自身は最終的な敗北によって、消え失せる。だが彼の悲鳴は、いつまでも後を引き続ける。

 トーマス・マンの『ファウスト博士』は、ファウスト物の定義通り、悪魔との契約、契約の時間を迎えての破滅を実質的な主人公アドリアンが駆け抜けて行く。
 悪魔との契約者であり愛を禁じられたアドリアンが、それでも愛を求めた結果引き起こした周囲の人間の悲壮と、そして彼が自己の終末を前に行った選択が「生」に執着する人間の姿をえぐり出していて直視に堪えない。



 そんな訳で、悪魔まみれの2012年でした。
 今年も悪魔まみれだろうけれど、小説以外のも読めると良いな。


まとめ:年別感想まとめ
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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 お正月らしくおめでたい写真を記事の頭に入れるべく、手持ちの画像データを漁ってみたもののサッパリ見つからなかったので、うちの猫もどき氏の艶姿を採用してみた。
 これは、いつも買っていたドライフードにリコールがかかっていたことに気が付かずに全部食べさせてしまい、それでも返金してくれるとのことで、何だか丸儲けに。どうせ転がり込んできたお金だから、ぱーっと使おう→猫の服売ってるぞ! 買ってみよう!! という流れで購入した物。何気にオーダーメイドな代物。
 ちなみに本人ならぬ本猫は凄く嫌だったらしく、終始ブスッとしていました。そんな訳で出番はこの日限りに……。

 それでも脱ごうともせずにちゃんと着続けていたところに、やっぱり前にいた猫とは違うんだなーと。前の猫は背中に値札シールが引っ付いただけで大恐慌に陥る猫だったもので。
 猫にも個性というか性格があるんだねぇ、としみじみ。

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