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関西二期会第77回オペラ公演『コジ・ファン・トゥッテ~恋人たちの学校~』感想:★★★★☆

2012.11.11 Sun


パンフレット


 10日土曜日の関西二期会『コジ・ファン・トゥッテ』に行って来た。
 席には余裕が見られたものの、私の前の席はどこまでも詰まっていた上に、真ん前の人がとても姿勢が宜しくて、私は泣いた。

 10日のキャストは以下。
 フィオルディリージ:平野 雅世、ドラベッラ:西村 薫、フェランド:二塚 直紀、グリエルモ:西尾 岳史、ドン・アルフォンソ:松森 治、デスピーナ:西田 真由子


 『コジ・ファン・トゥッテ』とは、「女はみんなこうしたもの」という意味だそうな。
 登場人物は姉妹とそのそれぞれの恋人、哲学者先生、姉妹の小間使いの計6人。
 人間関係はこれだけだし、血なまぐさい事件も悪魔だの何だのと言った壮大なテーマも登場しなければ、舞台もほぼ姉妹の家とその周囲くらいしかないという、実にこじんまりとしたオペラ。
 けれど、喜劇に混ぜ込んだ皮肉の効き方がなかなかに良い。








 お年頃を迎えた姉妹フィオルディリージとドラベッラには、それぞれ恋人がいた。それがフェランドとグリエルモ。
 共に士官であるフェランドとグリエルモは友人同士でもある。
 ある日、互いの恋人の素晴らしさと貞淑さを称えていたところ、それを聞いた老哲学者ドン・アルフォンソは堪えきれずに笑い出す。
 この世に貞節な女などいるわけがない。それはフェニックスと同じで、架空の産物だと。
 彼の言葉に憤り若者2人。自分の恋人は自分だけを愛しており、決して他の誰にもなびいたりはしない!
 ならば、とドン・アルフォンソは問いかける。試してみれば良いのでは?
 かくして、友人同士の2人は変装し、互いの恋人を誘惑する賭けをドン・アルフォンソとすることとなった。

 士官である2人は突然戦地へ派遣されることになったと言い、恋人たちの前から姿を消す。
 代わりに顔を隠すためだろうが、フェランドとグリエルモは揃って髭をもじゃもじゃと生やし、更に衣装も整えて、怪しいアルバニア人に化けおおして、二人の前に現れる。
 一方のドン・アルフォンソは、己の勝利を確かなものとするために姉妹フィオルディリージとドラベッラの小間使いで、元々恋愛に対して大胆なデスピーナを抱き込むのだった。
 さてさて、若い士官二人が信じる姉妹は己の貞淑をちゃんと証明出来るのでありましょうか。はたまた老獪なドン・アルフォンソが勝利するのか?

 と言うのが、『コジ・ファン・トゥッテ』のキモの部分。
 女性側が自分の彼氏が果たして自分以外の女性に目を向けたりしないだろうかと心配して試すなんて話は、私が読んでいた頃のリボンに載っていた気がして、文字を打っていても悶絶してしまうのだけれど、此度は試す側が男、試される側が女。
 先に答えを言ってしまうと、彼女たちはフェニックスではなく、やはり実在のただの女に過ぎず、妹ドラベッラはあっさりと、姉フィオルディリージは最終的に陥落してしまう。

 そして相手を変えた(姉妹は彼らの正体を知らないが)2組のカップルが成立。
 しかも結婚にまで進んでしまう。本来の彼氏は戦場に行っていると言うのに!
 まぁ実際は行ってないけど。それでも彼女たちはそう信じているのに、彼らが戻って来る頃には、外国人の夫と共に海外だから問題ないわ、って酷い、酷すぎる。
 この陥落の過程に於ける、姉妹の性格の違いもまた見物。
 しっかりしているけれど不器用な姉と、世渡りの上手い妹。いるいる、と思わせられる。

 信じていた恋人のまさかの事態に嘆き悲しむ男たちを、ドン・アルフォンソが「ほら見たことか。けれども女はそうしたものなのだ。だから許しておやり、完璧ではない彼女たちを受け入れておやり」と丸く収めて、2組のカップルは元の鞘に収まり、めでたしめでたし。


 ……となるのが、元の脚本なのだが、今回の関西二期会の『コジ・ファン・トゥッテ』はひと味違う。
 なんとこの2組、元の鞘に戻らない!
 最後、2人のアルバニア人と姉妹との結婚式にフェランドとグリエルモが乱入し、修羅場が。
 姉妹は己の軽はずみな行為に後悔し、殺してくれと哀願する中、フェランドたちはアルバニア人が彼らの変装であることをバラし、姉妹は驚き、そして全てが知られていることを理解した上で、それぞれ元の相手と再度寄りを戻す。
 けれど今回は元通りになると思わせて、姉フィオルディリージは腕を差し伸べる本来の恋人グリエルモを通り過ぎ、フェランドの元へ!
 えぇっと動揺するグリエルモには、妹ドラベッラが寄り添う。
 そして結局は幸せな2組のカップルが成立したのでありました。
 何だかグリエルモには未練がありそうな気配がなきにしもあらずだったが、フィオルディリージがフェルランド一筋のようなので、きっと問題はないだろう。うん。
 「もう試したくはないの」なんて歌っていたけど、全くだよ。

 けれど考えてみれば、元の鞘に戻らないほうが自然かもしれない。
 だってあれだけ騙されて、結婚までしちゃったくせに(姉妹は知らなかったが、契約書が偽物なので未遂なのだが)、最後の土壇場で元に戻るのは今の感覚ではちょっとオカシイかも。
 ただ、本来の筋書きを知っている人たちは、フィオルディリージがグリエルモをスルーした瞬間に「ええ!?」との驚愕の声が上がりまくっていて、とても安心した。
 いや、アルバニア人の姿の時は赤と青で分かりやすかったのに、士官服になったら良く分からなくなってしまい、私が混乱しただけかと思ったもので。

 最後に丸く収めるドン・アルフォンソの姿には、「いやお前が全ての原因じゃ?」と思うものの、カッコイイ渋いオジサンだから、もう全て許す。
 でもこのオペラの一番の主役はドン・アルフォンソよりも、小間使いのデスピーナ。
 アルバニア人がフェランドとグリエルモの変装だと知らなかった彼女は最後お仕置きされてしまうが、でも彼女自身も変装して医者に化けたり、公証人に成りすましたりと大活躍。
 可愛くて、ちょっと考えが足りなくて、軽率で、けれどどこか憎めないおしゃまな小間使いって良いじゃない。
 小学生の頃にはこういう子、どのクラスにもいるよね。
 関西二期会のオペラ演出では、バナナを浮気に例えて姉妹に差し出したりと、なかなか意味深なことしていたしね。

 ドン・アルフォンソの渋い声が一番好きだったが、他の出演者もそれぞれ申し分なく自分のキャラクターを立てていた。
 最初、姉妹の衣装がそっくりだったのには文句を言いたいが(でも、どっちがどちらか混乱したのは私だけ?)、友人が自分の恋人に手を出すのが許せなくて、思わず身を乗り出してしまったり、覗き見したりする男共の姿には、やや過剰演出かもと思いながらも笑ってしまった。
 一番面白かったのは、姉フィオルディリージが揺れる心を抑えながら戦場の恋人を思って歌っていた裏で、その恋人グリエルモがドラベッラといちゃついていたシーン。
 舞台の端っこに引っ込んで以降、何してたんですかね。グリエルモの足だけ見えてましたけど。
 フィオルディリージの陥落の様子を覗き見するグリエルモの、緊張から落胆へと移行する後ろ姿も素敵だった。



 オペラと言うよりも、なんだか演劇の領域に突入していたが、分かりやすくて良かったんじゃないかと。
 ただ姉妹の衣装は最初から区別しやすいものにしていて欲しかったけれど。
 これは男二人もだけど、彼らはまだ髪の色が違うし。
 でも今度は、悲劇が見たいな。


覚え書き(本に纏わるあれこれ):オペラ感想
より詳しくは右カラムのカテゴリから選択してください。


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 あましんアルカイックホールに初めて行った。が、迷う程に遠くはなかった。
 阪神尼崎駅を降りて、歩道橋に登り、そのまま真っ直ぐに歩けば見えた。

20121111-22.jpg


 歩道橋への上がり方は色々あるが、気に入ったのはこの階段。
 上から光が差し込んでくる関係で、なんだか幻想的な姿に。

20121111-24.jpg


 歩道橋を進めば、5分も行かずに見えてくるのがこの建物。

20121111-26.jpg


 歩道橋を降りて直ぐ目に付くこの大きな建物がアルカイックホールかと思ったが、違った。

20121111-28.jpg


 すぐ隣にこんな分かりやすいアーチが。

20121111-30.jpg


 くぐるとスロープが緩やかに続いている。この奥が今回の会場である、あましんアルカイックホール。
 色んな方々がわいわいとやっておられました。
 客層はお上品なおばあさまからジーンズ姿のお兄さんまでいろいろ。

 幕間にロビーで売られていた500円のサンドウィッチが意外と美味しかった。ケチャップ状の以外はトマト入ってなかったので、トマト嫌いとしては喜びもひとしお。
 でもオレンジジュースで400円は凄くぼったくりだと思います……。

Theme:オペラ | Genre:音楽 |
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