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新装版、ああ、新装版:購入履歴・古本編92

2012.09.01 Sat


 今日も世界幻想文学大系が増えた。

『放浪者メルモス 上』函表『放浪者メルモス 下』函表


 今回は『放浪者メルモス』なのでした。左側が上巻で、右側が下巻。
 ちなみにこのメルモス、上下巻を纏めて一冊にした新装版が発売されたばかりだったりする。

新装版   放浪者メルモス



 新装版の話は置いておくとして、『メルモス』上巻の月報は青色。
 本体に付属している透明カバーもちゃんとあったが、邪魔なので外した。

本体と月報その1










 一緒に入っていた注文カードが綺麗な黄色。
 月報の内容は、以下。

月報16――1977.3.15
 ・マチューリン 終わりなき焦燥――前川祐一
 ・ロシア幻想文学の流れ 世界幻想文学小史・14――川端香男里


 表面の「マチューリン」はタイトル通り、本書『放浪者メルモス』と、その作者であるマチューリンに関する文章。
 ディドロの『修道女物語』からマチューリンが物語の骨格を借りて『放浪者メルモス』を組み立てたんだそうな。
 その際にマチューリンが取り入れた主題、「さまよえるユダヤ人」は彼の果たしたかった目的には適っていたが、しかしその主題故に物語を終わらせるのは困難だっただろうとの指摘が面白い。
 この欠点が故に、後の作家たちはテーマを終わりなき「さまよえるユダヤ人」から、契約終了までのカウントダウンが肝となる「ファウスト博士」へとシフトさせることとなったと著者は言う。

 迷信的な信仰、修道院生活の理不尽さを描いた『修道女物語』に、悪魔との契約なんて文字列が加わると、ルイスの『マンク』を連想してしまう。
 あれは悪魔との契約も終わりも唐突に訪れて破滅の中に一つの物語が終わり、一方では二組の結婚というハッピーエンドが訪れるのだけれど。
 後は、契約の終わりと破滅が迫ってくる元祖ファウスト物語に対して、ゲーテの『ファウスト』は時間的制約を廃し、全てをファウスト博士が契約のワードを言うかどうかの一点に集約させていることを改めて意識させられたり。
 毎度思うけれど、ゲーテはファウスト博士に甘いよ。
 己の欲によって悪魔なんざを呼び出しては顎で使った挙げ句、契約の終了をメフィストフェレスではなくファウストの舌の自由にさせるだなんてさ。
 しかも最終的に魂までメフィストにくれてやらないんだもの。悪魔家業も楽じゃないよな。


 裏面の「ロシア幻想文学の流れ」は『放浪者メルモス』とも、その作者とも関係のない小史。
 どうもこのロシア幻想文学の流れは以前にも一度月報に登場しているらしく、今回で2回目のようだ。たぶん読んでいない、少なくとも記憶にないので、よく分からないが。
 主に取り上げられるのはA・K・トルストイ(2回目らしい)、ガルシン、ソログープ、ベールイ、そして最後にブルガーコフと続けることで「現代」へと辿り着いて終わる。

 トルストイの作品としては「吸血鬼」、「三百年後の出会い」、「ヴルダラクの家族」が取り上げられているが、この最後の作品が私がかつて読んだ「吸血鬼の家族――ある男の回想より」(『ロシア怪談集』収録)、「魅入られた家族」(雑誌「幻想と怪奇」VOL1 NO2収録)のようだ。
 この作品のことは割と好きなのだが、私が好人物だと思っていたデュルフェ侯爵、実はそんな人ではないらしい。
 と言うのもこの侯爵、「三百年後の出会い」にも登場しており、ここではなんと護衛対象であるはずの公女の掠奪を狙うんだそうな。駆け落ちではなく、掠奪。
 恋多き人物だとは思っていたけれど、そうか、そんな人だったのか侯爵。
 ……しかしこの作品、どうも日本語で読める気がしない。どこかでひっそり翻訳されてたりしないだろうか。



本体と月報その2


 『放浪者メルモス』の下巻付属の月報も青色。
 月報の内容は、以下。

月報17――1977.12.25
 ・ホーソーン、ポーと『放浪者メルモス』――志村正雄
 ・ゴシック小説とその影――行方未知
 ・騎士道小説とスペイン幻想文学 世界幻想文学小史・15――萩内勝之


 上巻付属の月報16が3月なのに、下付属の17が12月なのに驚いた次第。
 表面の「ホーソーン、ポーと『放浪者メルモス』」は、放浪者メルモスが二者に大きな影響を与えているとの話かと思いきや、メルモスよりもイギリスの短編の方が影響力がずっと大きかったとの結論に至る一説。
 ホーソーンとポーの一部の作品にメルモスの影響を見ることも出来るとは書いてあるが。
 時間がなかったのか、何かあったのか、文章がやや乱暴だ。

 「ゴシック小説とその影」はゴシック小説を巡る批判としてスタンダールの言い分を取り上げながら、更に著者の言い分をプラスしたもの。
 裏面の「騎士道小説とスペイン幻想文学」はタイトル通り。
 いくつもの騎士道小説、つまりは遍歴する騎士の物語、が登場するが、その中でも『ラサリーリョ・デ・トルメス』が面白そうだ。
 
人間は変身をやめるとき、ほろびる。



関連記事:
『ロシア怪談集』感想:★★★☆☆
雑誌「幻想と怪奇」VOL.1 NO.2感想:★★★★☆
新編 バベルの図書館:購入履歴・新本編60
『マンク』感想:★★★★★





 ここ最近、本気で暑すぎないだろうか。気温というか、湿気が高すぎてもう体調が。
 そんな訳で、涼しいコンビニにやたらと吸い込まれてしまうようになっているのだが、立ち寄ったローソンでこんなの買った。


サボテン新1号 サボテン新2号


 サボテン。
 サボテン売ってたんだよ、ローソンに。
 どうも花屋と提携しているらしく、サボテン以外にも切り花その他もあった。ローソンとは一体。
 それぞれ金鯱とヘルテリーという名前だそうな。

 以前育てていたサボテン3鉢は、毎年毎年ピンクや赤の花を付ける名前不明ながらも可愛い奴らだったのに、冬場に存在を忘れてベランダに放置してしまい殺してしまった。
 雪のなかにぽつんと立つサボテンはシュールすぎた。
 しかも、
 サボテンの中の水分が凍る→取り入れた室内が暖かくて溶ける→葉緑素が水と一緒に脱けたのかサボテン真っ白に→サボテンの本体が萎むも、トゲ同士が絡み合っているためトゲはそのまま→本体消失、トゲだけ空中に残る
なんて面白い経緯を辿ってしまった。

 ハリだけ残った様はオブジェのようで、一周回って格好良かったです……。あまりにあまりすぎて写真を撮らなかったことを後悔するくらいには。
 この新しく買った2鉢は冬場にトゲだけにならないようにしようと決意するために、ここに書いてみた次第だったり。
 このヘルテリーさんは、私が殺したピンクの花が咲くサボテンと同種だと思っているのだけれど、実際のところはどうなのか、一年も経てば分かることでしょう。
 しかしこのサボテンたち、下向きのトゲがあって、油断すると即刺される。痛い。

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