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『吸血鬼(書物の王国・12)』感想:★★★★☆

2011.07.04 Mon
吸血鬼 (書物の王国)
吸血鬼 (書物の王国)エドガー ポオ 須永 朝彦

国書刊行会 1998-11
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 この「書物の王国」は一冊ごとのテーマに沿う、様々な作家の手による作品を集めたシリーズ。収録する作品は西洋東洋を問わず、詩や評論までもが対象……らしい。
 本書収録の作品は以下。

・「コリントの花嫁」 ゲーテ、竹山道雄・訳
・「断章」 バイロン、南條竹則・訳
・「吸血鬼」 ポリドリ、今本渉・訳
・「ドラキュラの客」 ストーカー、桂千穂・訳
・「ベレニス」 ポオ、大岡昇平・訳
・「月のさやけき夜」 ウェルマン、紀田順一郎・訳
・「仮面舞踏会」 ダーレス、森広雅子・訳
・「吸血鬼は夜恋をする」 ウィリアム・テン、伊藤典夫・訳
・「血の末裔」 マチスン、仁賀克雄・訳
・「クラリモンド」 ゴーティエ、芥川龍之介・訳
・「ラテン系ユダヤ人」 アポリネール、鈴木豊・訳
・「刺絡」 シュトローブル、森鴎外・訳
・「夜ごとの調べ」 ステンボック伯爵、加藤幹也・佐藤弓生・訳
・「死者の訪ひ」 スロヴァキア古謡、須永朝彦・訳
・「吸血鬼の茶屋」 紀昀、前野直彬・訳
・「紫女」 井原西鶴、須永朝彦・訳
・「春の歌」 円地文子
・「吸血鬼」 日影丈吉
・「支那の吸血鬼」 山尾悠子
・「樅の木の下で」 須永朝彦
・「室内楽」 寺山修司
・「吸血鬼幻想」 種村季弘
・「狼の血と伯爵のコウモリ」 長山靖生
・「アイリッシュ・ヴァンパイア」 下楠昌哉
・「夜の末裔たち」 菊地秀行

 責任編者は須永朝彦。


 たっぷり詰まって26作品。「吸血鬼幻想」以下の4作品は評論・エッセー。
 個人的には物語と詩が収録されていると思っていたので、ちょっと後半はガッカリ。物語が読みたくて買ったもので。
 ちなみに本書に使われている紙はかなり厚め。けれど2段組みなので、本自体はそう分厚くもない。
 以下、個人的感想。






 ポリドリの「吸血鬼」は、吸血鬼作品の最初の作とされる。この「吸血鬼」が生まれる切っ掛けになったのがバイロンの「断章」であるが故に、この「吸血鬼」は当初バイロン作だとの混乱を招いたらしい。他にその方が刺激的だからと敢えて作者をバイロンとしたのだ、との説もあるが。
 バイロン自身はこれを己の作品だと思われることを心底嫌ったのだそうだ。まぁ分からないでもない。

 ポオの「ベレニス」は流石の出来映え。ポオの書く狂人はいつだって正しく狂っていて良い。読んでいるとポオ自身の精神が心配になってきてしまう。ベレニスの身に起こった悲劇を己の身に起こったと置き換えて想像するのは、痛すぎてお断りである。

 ダーレスの「仮面舞踏会」も好きだ。終盤まで普通に騙されていた。ちょっと悔しい。
 
 「クラリモンド」は『フランス怪談集』で既読。
 あちらでは「死霊の恋」がタイトルで主人公はロミュオー。本書ではロミュアル。どっちがより原語に近いんでありましょうか。
 個人的には2回続けて読みたい程に好きな作品ではない。どちらかと言うと男性受けのが良さそうだ。ちなみに翻訳としては「死霊の恋」の方が好きだったりする。
 感想が「セラピオンを殺っちゃえば良かったんじゃない?」なんて身も蓋もない内容なのは秘密。

 同性愛の香り強い「夜ごとの調べ」、「樅の木の下で」もなかなかに素敵な雰囲気を持っているし、逆に女性2人の会話が印象的な「春の歌」も良い。
 だが個人的に本書での一番のお気に入りはウィリアム・テンの「吸血鬼は夜恋をする」。他のが血と恐怖に彩られているのに、これだけはほんわかしていたのが印象的。「仮面舞踏会」と同じく綺麗に騙されてしまったことだし。
 きっとこれは語り手である世話焼きトムの、ほんわかな語り口のせいだと思うんだ。
Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
Category:星4つ:★★★★☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |
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