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『わが人生の記―十八世紀ガラス職人の自伝』感想:★★☆☆☆

2012.07.31 Tue


わが人生の記―十八世紀ガラス職人の自伝

ジャック=ルイ メネトラ,ダニエル ロシュ
白水社 2006-03
売り上げランキング : 723117
by ヨメレバ


 本書はジャック=ルイ・メネトラの遺した「わが人生の記」に、冒頭と末尾にダニエル・ロシュの解説が付属する構成になっている。
 そのおかげでメネトラの言い分だけでは分からないところにまで手が届く親切設計になっている。


 読み終わった自分を褒めてあげたい、なんて文章が出てくるほどに苦労した1冊。
 とは言えそのほぼ全ては私の趣味(つまりは『ヨーハン・ディーツ親方自伝―大選帝侯軍医にして王室理髪師』のディーツ親方の方が好きだ)と、単純に物理的な理由(つまりは本書が大きくて重たくて腕が疲れる)という2点に集約出来てしまう以上、この書物に価値がないという訳ではない。
 それどころか、十八世紀の後半という劇的な時代を生きたパリの職人が書き残した記録である『わが人生の記』は、一部の人間にはとてつもなく面白いものだろう。
 著者であるメネトラはアンシャン・レジーム時代を知る最後の世代であり、そしてフランス革命の目撃者であり、その後のナポレオンの登場をも体験している。激動の時代の証言者、それも珍しく庶民、である。



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ややこしいのはお前だ:購入履歴・古本編87

2012.07.29 Sun


 似たタイトルが多くてややこしい『幻想と怪奇』を2冊購入。
 今回買ったのは、早川書房のポケット・ミステリの『幻想と怪奇 1―英米怪談集』と『幻想と怪奇 2―英米怪談集』。
 合わせて1,000円。

 去年の時点ではどちらかは新本の在庫があったように記憶しているのだが、気が付いたらなくなっていた。
 ちなみに同じくポケット・ミステリの『新・幻想と怪奇』はまだ新本で買えるようだ。

『英米怪談集 幻想と怪奇』



 実は初めて購入するポケット・ミステリ。
 手に収まらないこの手のサイズは嫌いだ。小口が黄色いのもあんまり……。
 どうでもいいが、1の方から岩波文庫のしおりが出て来た。何故か古書の中からよく出現するなぁ、岩波文庫のしおり。



 巻末の解説にて、この2冊の編纂意図が開示されている。
 それは要約すれば、「すぐれた作品であること」、「テーマが重複しないこと」、「『怪談』がどのように変化していったかを俯瞰できるようにすること」の3点になる。
 「第三巻以降はまだ未定(p.250)」とも書いてあるが、この3巻に当たるのが「新・幻想と怪奇」なのだろうか。それとも新と題打っているところからして、全く違うのかな。



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メタな問題:購入履歴・新本編55

2012.07.27 Fri


 書くのをすっかり忘れていたけれど、買いました「大人の科学マガジン」最新号。
 ばっちり発売日に近所の本屋に入荷しておりました。

大人の科学マガジン Vツイン蒸気エンジン (学研ムック 大人の科学マガジンシリーズ)


 毎回楽しみなふろく、今回は「Vツイン蒸気エンジン」。
 動力を取り出せる二段プーリー付きとあるけれど、産み出された動力を何に使おうかなー。さっぱり用途が思い付かないぞ。ってまだ組み立ててすらいないのだけれど。


 蒸気を産み出すためには熱が必要なのは当然で、今回の熱源はアルコールランプ。これも付属している。
 その燃料用に燃料アルコールなるものを買えと書いてあったので、本屋の隣のドラッグストアに閉店ギリギリに飛び込んで尋ねてみたところ、普通に売られていました。それも安かった。ちなみにネットでも買える。

 燃料用アルコールとはなんぞや? との疑問を解消させるべく成分表を見ると、メタノールがメインで、そこに20%ほどエタノールが混ぜられていた。
 エタを混ぜることで燃料効率が上がるのだろうか。エタ100%もしくはメタ100%とは燃焼に差があるものなのかな。そう変わらないように思うけれど。


 「大人の科学マガジン Vツイン蒸気エンジン」は装丁も金文字と気合いの入りっぷりが目に見えるので、組み立てるのが楽しみ。
 一応本体の雑誌もエンジン好きな人が集まっているようで、なんとも面白そう。




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岩波のブックカバーが届いた 2012年版:フェアメモ

2012.07.25 Wed


 今日、ポストの中から薄めの封筒が登場。

封筒


 以前応募した「2012年岩波文庫フェア 名著・名作再発見! 小さな一冊をたのしもう」のブックカバーの到着でした。去年の話はコチラから。

 しかし封筒に今年も相変わらず「ゆうメール」の表示が。届けてくれたのはヤマト運輸でクロネコメールでございます。
 封筒に最初から印刷してあるみたいなので、消せないんだろう、たぶん。


 どんなブックカバーかな、と開封したら、

2012年版岩波文庫のブックカバー


今年は爽やかな水色!
 一筆が添えられているのも、ブックカバーが透明の袋に入っているのも去年と同じ。
 あぁ、ただ封筒の封はガムテープではなく普通のセロハンテープ(?)でした。




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『ホフマン短篇集』感想:★★★★★

2012.07.23 Mon


ホフマン短篇集 (岩波文庫)

ホフマン 岩波書店 1984-09-17
売り上げランキング : 246430
by ヨメレバ


 既に読んだことのあるものが多いのだが、それでもやっぱり面白い。ただ翻訳は以前に読んだものの方が好みかな。

 収録されているのは、以下の6作品。
・「クレスペル顧問官」
・「G町のジェズイット教会」
・「ファールンの鉱山」
・「砂男」
・「廃屋」
・「隅の窓」
 挿画はアルフレート・クービン。
 分かりにくいが、表紙は「G町のジェズイット教会」の挿画としても使われている。


 ホフマンの描く幻想と怪奇には特別の背景は不要だ。それは現実のほんの少し奥、日常の片隅で展開される。
 物語を描くのは、少し変わった人たち。彼は「普通」とは異なっているが、多くの場合本人はそのことを不幸だとは感じていない。
 だが「普通」ではない彼らは、圧倒的な質量を持つ現実と日常の「普通」の中にいつまでも存在してはいられず、物語の終末に至って淡く儚く消え去っていく。
 彼らが遺すのは、ほんの僅かの痕跡だけ。しかしそれもまた、語り手や僅かな登場人物にしか感知されることはなく、またその跡も速やかに吹き散らされて失せる。



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出版社二択、十字架一択:購入履歴・古本編86

2012.07.19 Thu


 ユイスマンスの『さかしま』(河出文庫)の澁澤龍彦による後書きにおいて、この作品を評してバルベー・ドールヴィイが「かかる作品を書いてしまった以上、もはや銃口か十字架の下を選ぶよりほかに、作者には残された道があるまい」と記したことが紹介されている(p.378,河出文庫『さかしま』)。

 それを読んだ瞬間に、絶対にユイスマンスは銃口を選ばない、と感じた。
 もしもそちらを選択するような指向性があるならば、デ・ゼッサントを最後に殺したに違いない。十字架を選び得ない私ならば、確実にこの主人公を殺すから、そもそもこの二択自体が成り立たないなどと考えたのだが、御存知の通り、ユイスマンスは実際に十字架を選んだ。

 十字架を選べるような人には興味ないわー、銃口を自分の頭に向けちゃう人の方が好みだわー、とか思いつつも、ネットサーフィン中に「『腐爛の華 スヒーダムの聖女リドヴィナ』 1,500円」の文字を発見してつい購入してしまった。
 ポチッと申し込んでから、出版社や出版年が記載されていないことに気が付いたが、まぁ良いやと問い合わせることもなく、国書刊行会のフランス世紀末文学叢書の『腐爛の華』が届くのか、それともそれ以前に出た薔薇十字社のものが届くのか楽しみに待つことにした。
 それで、実際に届いたのは……。



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1985の幻想と神秘:購入履歴・古本編85

2012.07.18 Wed


 今日も今日とて、購入本メモ。

 購入したのは、澁澤龍彦監修、幻想文学会編の『日本幻想文学大全』上・下巻セット。青銅社。
 左側が上巻、右が下巻。合わせて2,000円でお釣りが来た。下巻だけ帯付き。

『日本幻想文学大全』上・下


 実物を見るまでは「幻想のラビリンスなのか幻視のラビリンスなのかどっちだよ」と思っていたが、どっちもだったなんてオチが。
 上巻が「幻想のラビリンス」で、下巻が「幻視のラビリンス」なのでした。

 澁澤龍彦の序によれば、「上巻は明治以降戦前までの十九篇、下巻はもっぱら戦後の十九篇を収録している」とのこと。
 ちなみに本書の発行は1985年である。

裏表紙


 一応裏側も。
 私が読んだことのある作品は、下巻に収録されている安部公房「デンドロカカリヤ」と川端康成の「片腕」かな。
 他にも微妙に見覚えのあるタイトルがあるような気もするが、ぱっと思い出せない。



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『マンフレッド』感想:★★★☆☆

2012.07.16 Mon


マンフレッド (岩波文庫)

バイロン 岩波書店 1960-03-05
売り上げランキング : 600848
by ヨメレバ



 十六世紀を生き、その奇怪な人生と強烈な死に様で、後に長く語られることとなったファウスト博士。
 彼の生と死に関しては数多の噂が囁かれ、事実には立派な尾ひれが付き、そしていつしか彼は物語へと姿を変える。
 民衆本や人形劇として愛され、その中で何度も何度も地獄に叩きつけられ続けた彼の魂が初めて救済されるのには、十八世紀の啓蒙の時代を迎えなくてはならない。

 ファウストが地獄行きになる切っ掛けは、神のみの持ち物である「知恵」を欲したからである。そしてそのために、メフィストフェレスに己の魂を売り飛ばし、結果、神の赦しを信じることが出来なくなり破滅する。
 神の有する知恵の実に手を伸ばしたこと自体が主たる理由ではない。メフィストフェレスとの契約も然り。ただただ彼は、自分の信仰を失ったが故にメフィストフェレスに喰われるのだと、マーロウと民衆本は言う。己の自重に潰されたのだ。
 だからこそ、ゲーテのファウストは最終的に救済されるのだろう。彼とメフィストフェレスとの契約には時間の規定はない。他のファウストとは違い、彼は減りゆく己の命に震えることも、迫り来る約束の期日に怯えることもない。
 恐怖がなければ、心の揺らぎも少ない。絶望して神を呪うことも、恐れに神に再度縋り付こうとし、そんな見苦しい己に失望することもない。よってゲーテのファウスト於いては、メフィストフェレスとの賭けのみが焦点となる。


 ゲーテ以外の手によるファウストたちは、知恵という禁断の実に手を伸ばした己の罪深さによって自滅するのである。メフィストフェレスはその隙間に入り込んだに過ぎない。
 だがゲーテ以外のファウストたちはメフィストフェレスに残忍に殺されてしまうのだ。己が原因で破滅するのに、その処理を悪魔にさせるのである。
 キリスト世界にあっては自殺は重大なるタブーであることを考えれば、自殺するにも他者が必要なのだろう。だからこそメフィストフェレスが、期日の日に彼の前に現れては彼を惨殺する。
 切り裂かれた死体は、神を信じられなくなった悪人には最も相応しい最期の姿であろう。


 ファウストにとって神の持つ知恵の実に手を伸ばす手段も、最後の自死の方法としても、己の力ではなくメフィストフェレスという他者を用いる。
 つまりは最も汚い部分は悪魔に、という訳だ。
 だがそれは、決して褒められる態度ではない。悪魔が生まれた所以の一つは、人間の手で行うにはあまりにも酷い所業を押しつけるためなのだろうが、けれどそれは潔くはない。
 最も見にくい部分をも自分一人で引き受け、そして自重に押しつぶされて一人で死に往く一人完結型のファウストこそが、本書の主人公マンフレッドなのである。

 ……前振りが壮絶に長かったな。続きは折りたたみから。一応書いておくと、ネタバレ注意。



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