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『原典によるロシア文学への招待―古代からゴーゴリまで』感想:★★★★☆

2015.11.27 Fri

原典によるロシア文学への招待―古代からゴーゴリまで
原典によるロシア文学への招待―古代からゴーゴリまで川崎 隆司

成文社 2008-11
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 何故この本を手に取ったのか、その理由はもう忘れてしまったが、しかし出会えて良かったなと思えた一冊。
 時代時代の代表的な作品と共に、その頃の歴史について記述するというスタイルで進む。引用される作品がどれも興味深いのだが、その引用部分以外の邦訳が存在しないことの方が多くて、なんとも残念である。
 時代背景の説明もそれなりに面白く紹介されており、ストイックな態度を崩さなかった『図説 ロシアの歴史』とは好対照である。



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『架(百年文庫・95)』感想:★★★★☆

2015.11.21 Sat

架 (百年文庫)
架 (百年文庫)火野 葦平 吉村 昭 ルゴーネス Leopoldo Lugones

ポプラ社 2011-10
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 個人的にかなりお久しぶりな百年文庫。ポプラ社ちゃんのことはあまり好きではないので、珍しく図書館本。
 薄い上に文字が大きくて、さっくりと読み終わるシリーズ。
 今回の収録作品は以下。

・「伝説」 火野葦平
・「火の雨」 ルゴーネス、牛島信明・訳
・「少女架刑」 吉村昭


 本書のメインは「少女架刑」。ずっと読みたいと思っていた作品だったので、ここで出会えて嬉しい。
 想像していたのとは異なるテイストの物語だったのも嬉しい。


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『キリール文字の誕生 スラヴ文化の礎を作った人たち』感想:★★★★☆

2015.10.28 Wed


キリール文字の誕生―スラヴ文化の礎を作った人たち―
キリール文字の誕生―スラヴ文化の礎を作った人たち―原 求作

ぎょうせい 2014-02-21
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 今でこそ自国の言語を大事になんて言うけれど、過去には優れたご近所さんに憧れて、自国のオリジナル部分を劣ったものと見做して投げ捨てていた時代もあった訳でして。
 日本でもそんなこんなは色々とあったが、国同士が近いが故にヨーロッパ諸国ではその流れが顕著でございました。同じ仕事内容でもフランス人ってだけでお給料が良かったりね。


 そんな今とは全く異なった時代に、粗野なものとしてその国の知識人からは捨て去られた地方諸国の言語に拘る必要に駆られたのは、熾烈な勢力争いをしていたキリスト教各派。
 まだキリスト教化されていないのは、非インテリ層のみ。伸びしろはもうそこしかない。彼らを取り込むために、禁忌を破り彼らの理解出来る言語での教化に踏み切ろうと教会が決めた時、問題となったのは、彼らの言語そのものの制定であった。
 教会各派が火花を散らす時代に、東欧諸国に己の勢力を伸ばすため、正教会が送り込んだのは言語の天才コンスタンティノス(キリール)とその兄メトディオス(メフォージイ)。
 東欧諸国の、また教会各派のパワーゲームに巻き込まれ、敵味方が目まぐるしく入れ替わる中、決して一枚岩とも呼べない各国やキリスト教各派に振り回されながらも、己の仕事を成し遂げんと努力した二人の物語。そして現在のキリル文字へと繋がる物語。



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『犬』感想:★★★★☆

2015.10.17 Sat


犬レオニード・ニコラーエヴィチ アンドレーエフ 森 鴎外

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 青空文庫が扱っている作品をKindle化した一作。元が青空文庫なので無料。
 Kindle版を読む利点は……、Kindleという慣れた環境で読めるってことくらいかな。なのでKindleに馴染みがなければ利点は皆無ということに。


 この「犬」は短編の中でも随分短い一作。紙で換算すると6ページとのこと。
 主人公はタイトル通りに犬。それもしょぼくれた、人に追い払われて人を憎むようになった犬。それが拠点にしていた別荘に、その持ち主の一家がやって来て……という物語。
 とても短いのに、いや短いからこそ、アンドレーエフの切れ味の良さが光る一作。



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『殺人者の顔』感想:★★★★☆

2015.08.29 Sat

殺人者の顔 (創元推理文庫)
殺人者の顔 (創元推理文庫)ヘニング マンケル Henning Mankel

東京創元社 2001-01
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 日常。常なる日々。だがそんなのは、まやかしだ。変わりの無い日々は、突然に変わる。
 平凡な家族だと思っていたのに、娘は十五の時に突如自殺を図った。田舎にはどこにでもいる貧しい農夫の隣人は、突如惨たらしく殺された。


 スウェーデンの片田舎イースタ署に務める刑事、クルト・ヴァランダーの人生は狂ってしまった。平凡だけれどもそれなりに幸せな家庭を築けていると思っていたのに、十五歳になった娘リンダは自殺を図った。その理由は、今でも分からないままだ。
 それからリンダとの関係はこじれてしまった。彼女は家を出て行方もよく分からない。たまにヴァランダーに寄越す電話だけが彼と娘とを繋いでいる。
 妻のモナは家を出た。ヴァランダーといると自分の人生が駄目になると言う。ヴァランダーには分からない。
 ヴァランダーに分かるのは、自分は孤独だということだけだ。そんな彼に追い打ちを掛けるように、老夫婦の惨殺事件が起こる。
 第一発見者である隣人が言うには、彼らはこの田舎ではありきたりな貧しい農民夫婦だったと言う。だが彼らの殺され方は「ありきたり」とは言えない。妙だ。
 虫の息の妻が残した最後の言葉は「外国の」。外国人排斥運動が吹き荒れるスウェーデンでは、その言葉は致命的になり得た。この惨たらしい事件の犯人が外国人だなどと知られれば、その報復に国内で保護されている亡命者が襲撃されるのは必須であった。

 ヴァランダーたちはこの情報を秘匿することを決めるが、しかし情報は漏れてしまった。署内に裏切り者がいるのだ。
 そして彼の危惧した通り、外国人を襲撃するとの予告がもたらされる。何の罪もない亡命者たちを守るため、何の罪もない老人を殺した犯人を捕まえるため、ヴァランダーは精神的にも肉体的にもボロボロになりながらも事件を追う。

ヴァランダーは理解しようと努めた。しかし、結局最後には、さんざん考えてきたことに戻るのだった。いま自分がいるのは新しい世界なのだ。そのことがいままではよくわからなかった。警官としての自分は、ほかの、もっと古い世界に生きている。どうしたらこの新しい世界についていけるのだろう。世の中の大きな変化、それもとんでもない速さで変わる世の中に、自分は不安を抱いている。その不安を、どうしたらいいのだ?(p.349)



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『森は生きている』感想★★★★☆

2015.08.11 Tue


森は生きている (岩波少年文庫)
森は生きている (岩波少年文庫)サムイル マルシャーク Samuil Marshak

岩波書店 2000-11-17
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 タイトルだけを見ると、環境問題を扱った作品かのように思えるが、これは『シンデレラ』に代表される継子イジメ物語のロシア版。
 なお原題は"Двенадцать Месяцев"、直訳すると『12か月』。これはこれで『クレヨン王国十二か月の旅』を連想する……のは私だけだろうか。
 人形劇のために書かれたので、物語は戯曲形式を取っている。そんな訳もあり、登場人物に名前はない。


 主人公である「ままむすめ」には、継子イジメ物語にはお約束ながら、継母と義理の姉が。そして二人の性格は悪い。
 しかしこの物語には、性格の悪い人物がもう一人。それはこの国の女王様。早くに両親を亡くし、ままむすめとそう歳の変わらぬ子供ながら、この国の君主となった。両親の悪いところばかりを受け継いだと作中で噂される彼女だが、しかし教えを垂れてくれる教師はいない。

 大晦日の寒い日、ままむすめは薪を取りに森へと行かされる。そこで見たのはリスとウサギの会話。
 思わず笑う娘に話しかけたのは、女王のための新年のモミの木を手に入れよと命令された老兵士。彼は言う、大晦日にはどんな不思議なことだって起こるのだと。老兵士は彼女に、彼のおじいさんのおじいさんのおじいさんが大晦日に12の月の全て、つまり1月2月3月…、と出会ったとことがあると教える。

 兵士に手伝ってもらいようやく薪を集め終えたままむすめは家へと帰るが、そこで待っていたのは意地悪な義理の家族だけではなかった。なんと我が侭女王による我が侭なお触れが出ていたのだ。
 なんの気の迷いか、女王は新年の祝いの席にはマツユキソウ(スノードロップ)がなくてはならぬと言う。この地では4月にしか咲かぬ花だ。目的の花を持ってきた者には褒美をやるとのお触れを出したものだから、さぁ大変。欲深い継母と姉は、早速ままむすめを再び森へと追い立てるのでありました。
 ままむすめに言い渡される、「マツユキソウを見付けるまで帰ってくるな」との残酷な命令。渡された籠は、失っても惜しくないボロなのだから、意地悪もここに極まれりである。
 己の死を覚悟しつつ夜の森へと踏み出す、哀れなままむすめ。しかし今日は大晦日。どんな不思議だって起こりえる日なのだ。




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『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』感想:★★★★☆

2014.12.24 Wed

言語が違えば、世界も違って見えるわけ
言語が違えば、世界も違って見えるわけガイ ドイッチャー 椋田 直子

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 サクサク読めて面白いけれど、タイトルが示すほどに劇的な結論に到達するわけではない。
 まぁ確かに母国語が違うだけで世界が劇的に違って見えるのならば、世界の東西を越えた交流とか難易度半端ないことになってしまうものね。と、そんなわけで割と常識的な結着に落ち着くのが本書の良いところでもあり、ややガッカリするところでもある。


 ホメロスの描く世界には、色が極端に少ない。彼は空の青さを誉め称えることは一度もないし、海と羊は同じくすみれ色である。
 そう気が付いたのは、ホメロスの熱心な研究社であったグラッドストン。彼はその謎に頭を悩ませる。ホメロスほどの優秀な詩人が、色についてこんな不可解な表現を残しているのはどうしてなのか。
 最初の仮説は、ホメロスは色弱だったというもの。だがもしそうならばホメロスの色彩感覚は一般的な感性とはズレることとなり、彼に対する違和感が同世代人から発せられるはずだ。しかしそうはなっていない。
 ならば色弱なのは彼だけではなく、当時の人たち全員がそうだったのではないか。
 グラッドストンの大胆な仮説は、最初は歯牙にも掛けられなかった。だが時代が下ってから、彼の説は再度発見され、そしてダーウィンの提唱した進化説の流れに乗って主流へと浮かび上がる。


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『飛行船の歴史と技術』感想:★★★★☆

2014.03.29 Sat


飛行船の歴史と技術 (交通ブックス 308)
飛行船の歴史と技術 (交通ブックス 308)牧野 光雄

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 『飛行船ものがたり』で私が抱いた不満を全て解消してくれた、と言っても差し支えのない一冊。
 もはや栄光を過去に置き去ってきた飛行船に対する感傷はほぼ抑えられ、飛行船の歴史と各国が取り組んだ技術的な革新も描かれている。
 加えて飛行船の離着陸・操縦の方法、飛行船の構造などの技術的な面、更に物理の話も少し披露され、なんとも幅広い一冊となっている。


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