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『消えるオス 昆虫の性をあやつる微生物の戦略(DOJIN選書)』感想:★★★★★

2016.04.20 Wed


消えるオス:昆虫の性をあやつる微生物の戦略 (DOJIN選書)
消えるオス:昆虫の性をあやつる微生物の戦略 (DOJIN選書)陰山 大輔

化学同人 2015-07-03
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 DOUJIN選書って面白いじゃん!と思わせてくれた一冊。

 オスとメス、この複数の性のシステムは現存生物の多くを支える根幹的なシステムであるが、しかしこのシステム自身は奇妙に不完全である。
 この不完全性に付け込んだのか、あるいはそれ故に性システムが不完全なのかは定かではないが、しかしその揺らぎを根城とし揺らぎを生み出す生物が存在する。その一つが本書の主役、ボルバキアという名の細菌である。


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『幽(百年文庫・84)』感想:★★★★★

2015.12.12 Sat

幽 (百年文庫)
幽 (百年文庫)ワイルド ウォルポール サキ Oscar Wilde

ポプラ社 2011-07
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 百年文庫の84『幽』はイギリス特集。
 収録作品は以下。

・「カンタヴィルの幽霊」 ワイルド、小野協一・訳
・「ガブリエル・アーネスト」 サキ、浅尾敦則・訳
・「ラント夫人」 ウォルポール、平井呈一・訳

 タイトルの通り、幽霊特集。2作目はちょっと違うが。


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『図説 ロシアの歴史』感想:★★★★★

2015.11.20 Fri

図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本)
図説 ロシアの歴史 (ふくろうの本)栗生沢猛夫

河出書房新社 2010-05-20
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 お馴染み変なサイズのふくろうの本。変なサイズ故なのか、「図説」の名に恥じぬ画像の多さ。
 ロシアという国家の設立から現代までを、コンパクトにまとめているなかなか得がたい一冊。それと同時に一方的な決めつけを極力避けようと努力している節が見え、好感を抱かせる。
 が、その態度故に描写が押さえられ、偽ドミトリーなどのかなり衝撃的な出来事もそうは見えないという欠点もあるのだが。



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『不実な美女か貞淑な醜女か』感想:★★★★★

2014.10.04 Sat


不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)

米原 万里 新潮社 1997-12-24
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 1997年に新潮文庫入り、初出は徳間書店で1994年の作品ながら、今でも人気を誇る一冊。その前評判の通りにとても面白かった。

 タイトルの「不実な美女か貞淑な醜女か」とは、翻訳文のこと。原文に忠実を誓えば日本語としては不自然な代物に、美しい日本語にしようとすれば少なくとも原文の一部に背くことになる。そのことを表した一文なのである。
 当然ながら貞淑な美女が望ましいのは言うことは無い。けれども英語を含むヨーロッパ言語と日本語との距離は遠く、大抵の場合においてどうしようもない。
 だがその「どうしようもない」事情なぞ通訳を頼む側にはどうでも良いこと。成らぬ事を成し、異なる言語を一致させる無理を通してこそ通訳。
 そんな通訳の悲喜劇をユーモラスに、かつ通訳という仕事への愛情を込めて語ったのが本書。


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『亡霊(英国ゴシック文庫・4)』感想:★★★★★

2014.05.19 Mon



 自費出版の「英国ゴシック文庫」から1冊。19世紀イギリスの下層階級が主な客であったチャップブックと呼ばれるもの。
 下層階級を主な販売層としていたとのイメージとは異なり、50ページ足らずの小品ながら、ゴシック小説の王道を織り込み、きちんと物語を畳んでいる。面白い。


 物語はある酷い雨の日に、かつての繁栄を失い今はもう古くからの使用人夫婦マーティンとベアトリスだけが暮らす古い城を舞台として始まる。彼ら二人が過去の思い出話をしていたところに、一人の若者が立ち寄った。馬が怪我をして立ち往生してしまい、困っていたのだ。
 彼ら二人は若者、ロドルフォに親切を施してやる。雨に濡れた彼の服の代わりに、かつての主人マンフレディ伯爵オズワルドのものを着せてやったところ、なんとロドルフォは彼そっくりであることが判明する。その類似の程は、長らく彼に使えてきたベアトリスをもって、余りの恐怖に失神させるほどだ。
 彼女が卒倒したのは、オズワルドが奇妙な死を遂げたことが大きく影響していた。そうロドルフォが偶然立ち寄ったこの古き城には、忌まわしい過去が染みついていたのだった……。


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『ケースファイルで知る 統合失調症という事実《電子増補版》[Kindle版]』感想:★★★★★

2014.05.16 Fri


ケースファイルで知る 統合失調症という事実《電子増補版》
ケースファイルで知る 統合失調症という事実《電子増補版》林公一 村松太郎

保健同人社 2013-01-31
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 紙で出た同タイトルの本を加筆し、電子書籍化した一冊。統合失調症という病気の最も明るい部分と、最も暗い部分が書き加えられたとのこと。


 統合失調症。怖ろしい病気と思われているこの病気は、罹患率が100人に1人と一般に思われているよりもずっと高い。つまり、統合失調症を患う人間は、この世に「ありふれている」。
 私にも貴方にも発症の可能性はあり、そしてこの高い罹患率から考えれば、周囲に既に発症している人がいることだろう。だが彼らの多くは、社会で暮らしている。事件を起こす者はそう多くはない。

 けれどもこの病気への偏見は根強く、病院を訪れること、そんな最も簡単なことすらもハードルが高い。しかし治療が始まったからと言って、安心は出来ない。
 多くの患者は劇的な症状をきっかけとして病院へと赴く。否、赴かされると言った方が正確か。最初の激烈な症状はほぼ薬で収まることが本書では示される。だがそれからが難関なのだ。
 一旦は症状が治まれば本人は病識を得、周囲の人間は安心する。すると疑問が生まれてくる。精神病の薬なんて危険なものを、いつまでも飲んでいて良いものだろうか?
 この疑問は不合理だと作者は説く。何度も何度も繰り返し。それは、それほどまでにも多くの患者が、その根拠の脆弱な不安から薬を止め、結果不幸な結末に至っているからなのだろう。


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『こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます “こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です(impress QuickBooks)[Kindle版]』感想:★★★★★

2014.05.11 Sun

こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます
“こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です (impress QuickBooks)
こころと脳の相談室名作選集 家の中にストーカーがいます “こころの風邪”などありません、それは“脳の病気”です (impress QuickBooks)林 公一

インプレスコミュニケーションズ 2013-12-13
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 私達は真実を理解出来るようには出来ていない。そんなことを念頭に設計されてはいないのだ。
 

 弟の奇行に悩む相談者に対して、「まさかとは思いますが、この『弟』とは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか」との意外すぎる返答で知られる精神科医・林公一のサイト「Dr 林のこころと脳の相談室」から、編まれたのがこの一冊。
 一冊と言っても手に触れられる実書籍のない、電子版のみだが。

 1997年4月に開設されてから数多の相談に答えてきたこのサイトだが、その相談数のあまりの多さは初見者を圧倒してしまう。
 サイトの解説者である氏本人も、相談に答えるのに手一杯でサイトの整理が行き届かないことを気にしていたらしく、それを叶えるために作られたのがこの『こころと脳の相談室名作選集』とのこと。


 己が正常なのか異常なのか悩む相談者の切実なる、けれども明らかに「おかしい」相談には心が痛くなる。
 対して、精神異常者を装ったメールもある。彼女の様子がおかしいと本人は必死だが、けれどもどう見ても単純に振られただけにしか思えない相談もある。
 暗澹たる相談もあれば、希望を伝えるものもある。悪戯もある。取り越し苦労もあれば、無邪気に断薬を勧め地獄へと続く善意の道を引こうとする相談もある。

 混沌たる相談の渦の中でも、氏の指針は明白でブレることがない。「事実だけを伝える。光か闇か、希望か絶望か、そういうことは意に介さず、事実だけを伝える」(まえがきより)。


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『未来の回想』感想:★★★★★

2014.01.22 Wed


未来の回想

シギズムンド・クルジジャノフスキイ
松籟社 2013-10-22
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by ヨメレバ


 時間は誰にとっても均等に流れる……だがなんとか、誰かの名言らしきものを聞いたのは一体いつだったのだろう。
 チックタック、チックタック、ただ只管に流れ行く時間は圧倒的な強者である。誰もが彼女に跪き、反逆は許されない。
 だがそんな時間に勝負を挑む者がいた。マクシミリアン・シュテレル。本書の主人公だ。


 子供に時計に、そして時間という概念に取り付かれた彼は、全てを時間に捧げる。
 他のものを投げ打って研究に、との形容句はシュテレルには当て嵌まらない。彼には時間しかなかったのだから。
 友人関係も人間性すらも持ち得ず、まっすぐに時間と取り組まんとするシュテレルではあったが、しかし、それを時代(それは時間の集合体だ)は許してはくれない。
 シュテレルはドイツとの戦争に駆り出され、革命の波にぶつかり、彼の「時間切断機」の研究は前途を阻まれてしまう。それは征服されることを拒絶する時間からの抵抗であった。
ノートの一冊に、シュテレルはこう苦々しく記している――「今日二二歳になった。ぼくが呑気に瞑想している時間に、時間は時間をめぐる闘いにおいて時間を稼いでいる」。この数行後にはこう書かれている――「時間は過ぎ去るがゆえに常に勝つ。ぼくが時間から意味を奪うよりも早く、時間がぼくから生を奪ってしまうのが先か、それとも……」(p.25-26)



しかし、第三の可能性があります――私、マクシミリアン・シュテレルは拘束服からも拒絶される狂人であり、私によって語られたことはみな譫言で戯言だという仮説です。ひとつ、衷心からの助言をさせてください――この最後の仮説を採ったほうがよろしい。それが一番有益かつ堅固で、安全ですから。(p.119)


 彼の一部に共鳴する人物はいても、彼そのものを理解し彼そのものと共鳴し得る人物は登場しない。
 シュテレルにとっては、そんな人物の有無などどうでもいいことのはずなのに、読んでいる身にはなんとも切ない。
 それはそこに作者クルジジャノフスキイの姿を見てしまったからだろう。彼はこの『未来の回想』を世に出すチャンスを見出せぬままこの世を去ったのだから。何の因果か、執筆から60年経って初めて、その原稿は引き出しから抜け出し日本語にまで成ったのだが。


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