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『屍衣の花嫁(世界恐怖小説全集・12)』感想:★★☆☆☆

2011.12.08 Thu

屍衣の花嫁―世界怪奇実話集 (1959年) (世界恐怖小説全集〈第12〉)
屍衣の花嫁―世界怪奇実話集 (1959年) (世界恐怖小説全集〈第12〉)平井 呈一

東京創元社 1959
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 翻訳、編集ともに平井呈一。
 「解説」によれば、実話篇である本書は本来ならば「世界恐怖小説全集」の最終巻として最後に発行される予定だったのが、他巻の担当翻訳者の都合で前倒しで発行されたそうな。

 本書は三部構成となっている。その内訳を「解説」から引用すると、
”Ⅰ”には記録風なもの、”Ⅱ”には実話、”Ⅲ”には参考の意味で、現代の心理学、精神分析学が「怪異現象」というものをどう解釈づけているかという見本に、ナンドー・フォーダー博士の講演を訳出しておいた(p.291)

とのこと。
 最後のⅢ部には「現代の」との記述が見えるが、本書が発行されたのが1959年であることからお察し頂きたい。
 フォーダー博士の怪異の解釈はなかなかに面白いとは思うが、彼が言い張る件の怪異の理由が余りにもテンプレートであり、またご都合主義に感じられ、今となってはその信憑性に疑問が残るところだ。


 以下、収録作一覧は長いので折りたたみ。



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Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
Category:星2つ:★★☆☆☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |

『吸血鬼カーミラ (世界恐怖小説全集・1)』感想:★★★★★

2011.11.07 Mon

吸血鬼カーミラ (1958年) (世界恐怖小説全集〈第1〉)
吸血鬼カーミラ (1958年) (世界恐怖小説全集〈第1〉)S・レ・ファニュ 平井 呈一

東京創元社 1958
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 3回目のカーミラ。今回は世界恐怖小説全集の栄えある第1巻目。現在絶版。タイトル作を含む5作品を収録。
 収録作は以下。
 「白い手の怪」
 「緑茶」
 「仇魔」
 「判事ハーボットル氏」
 「吸血鬼カーミラ」

 私が以前読んだ、現在でも入手可能な創元推理文庫の『吸血鬼カーミラ』の収録作は以下。
 「白い手の怪」
 「墓掘りクルックの死」
 「シャルケン画伯」
 「大地主トビーの遺言」
 「仇魔」
 「判事ハーボットル氏」
 「吸血鬼カーミラ」

 「緑茶」が読めない以外は創元推理文庫の方がお得。
 創元推理文庫の方を読んだ時には、「傑作と名高いらしい『緑茶』をなんで入れなかったの?」と思ったけれど、読んでみるとその理由が分かる気がする。日本人には身近すぎる、緑茶は。
 身近過ぎて正直「緑茶disってんじゃねーよ」なんて気持ちになった上に、ちょっと飲むの嫌になったんですけども。どうしてくれるんですか、レ・ファニュさん。
 ……でもまぁ、そんな気持ちにさせてこそ「恐怖小説」だよなぁ。つまりは作者の勝利だ。



Theme:本の紹介 | Genre:本・雑誌 |
Category:星5つ:★★★★★ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |

『吸血鬼ドラキュラ』感想:★★★★☆

2011.07.15 Fri
吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)
吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)ブラム ストーカー Bram Stoker

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 レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』を読んだついでに、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』を読了。
 いくつかの出版社から出ているが、私が読んだのは創元推理文庫の物。翻訳は平井呈一。


 吸血鬼の伝承自体は東欧の地では古くから存在していた。それがヨーロッパひいてはキリスト教と出会い変質し、そしてヨーロッパに持ち帰られたことによって、ヨーロッパ、特に東端に位置し東欧との接触の多かったドイツに於いて、吸血鬼の存在は18世紀初頭にはかなり信じられたのだそうな。
 その熱狂と混乱から時が経ち、「吸血鬼など絵空事だ」との認識が共有されるようになって初めて、吸血鬼小説は日の目を見ることとなる(吸血鬼を主題とする作品としては、小説よりも詩の方が早いのだが)。
 その先鞭を付けたのがジョン・ボリドリの短編小説「吸血鬼」。作品中に登場する吸血鬼が悪名高いバイロン卿をモデルにしていると見なされたこと、またボリドリがバイロンの主治医だったことなど色んな事情があったせいで、この作品は一時バイロン作だと宣伝され、故に大反響を巻き起こした。
 その後、二匹目のドジョウを狙った作品がいくつも発表された末に登場したのがレ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』であり、本書『吸血鬼ドラキュラ』はカーミラを越えんとして書かれた作品なのだそうだ。
 ストーカーの意気込みは見事に成就し、ドラキュラの名は誰もが知るところとなった。おかげでウラド公とトランシルバニアのイメージが歪んだが。

 とまぁ、そんな前書きはどうでも良いのだが、あまりにも有名すぎて、そう言えば真面目に読んだことないなーと思ったので、カーミラのついでに読んでみた次第。
 ポリドリの「吸血鬼」が短編、「カーミラ」が中編なのに対して、「ドラキュラ」は堂々たる長編。手に重たい。


 この小説は、作中の登場人物たちが書いた物(手紙、日記、電報、エトセトラ)を集めたという形式で展開されていく。
 最初に読者に提示されるのは、イギリス人ジョナサンの日記。彼が土地の売買の契約を成立させるために、はるばるトランシルヴァニアのドラキュラ伯爵の城に出向く途中から始まる。
 ドラキュラ=吸血鬼との方程式がガッツリ染みついている身としては、「ジョナサン、行っちゃダメ!」と叫びたいところだが、何も知らないジョナサンは勿論城に行ってしまう。仕事ですし。
 だが、その旅路の途中で出会った地元の人々の曰くありげな仕草や、また城に到着してからの伯爵との対話などからジョナサンは、伯爵が普通の人間ではないこと、さらに己が現在捕らわれた身となっていることを確信するに至る。
 そんな気が狂いそうな状況の中、ジョナサンは必死に日記を綴り、愛する婚約者ウィルヘルミナ(ミナ)と生きて再会するために決死の行動に出る。
 と、物語が緊迫したところで場面は変わり、今度はミナとその友人ルーシーの微笑ましい文通の様子が記される。この温度差が非常に良い。
 ルーシーののろけも実にニヤニヤさせてくれる。このほっこり感が、その後の悲劇の伏線だとは、いやぁ、やられた。作者、やりおるわ。



Theme:読んだ本。 | Genre:本・雑誌 |
Category:星4つ:★★★★☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |

『吸血鬼カーミラ』感想:★★★☆☆

2011.06.30 Thu
吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1
吸血鬼カーミラ 創元推理文庫 506-1レ・ファニュ 平井 呈一

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 昨日、正確には一昨日、に続いてジョセフ・シェリダン・レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』の感想を。
 こちらの創元推理文庫のものは前回のフォア文庫のものとは違い、カーミラ以外に6編の短編・中編を収録。以下が本書の収録作品。翻訳は平井呈一。
 「白い手の怪」
 「墓掘りクルックの死」
 「シャルケン画伯」
 「大地主トビーの遺言」
 「仇魔」
 「判事ハーボットル氏」
 「吸血鬼カーミラ」


 以下は長いので折りたたみ。


Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
Category:星3つ:★★★☆☆ | Comment(2) | Trackback(1) | top↑ |