『鏡の歴史』感想:★★★★★
2012.09.10 Mon
鏡の歴史 | ||||
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『鏡の文化史
前回の『鏡の文化史』が「特に語るべき感想がないのが感想」だったのに対して、今回は「全面的に充ち足りたので更に言い足したいことはないです」状態。
人間は本当に美味しいものを食べた時には無口になると聞くが、つまりは現在そういう状態。
とは言え折角なので、面白かったよと感想を書くことで布教を図ってみよう。
まぁ、バーゲンブックとして安く売られているのを発見した今では既に手遅れなのだろうが。
本書『鏡の文化史』はいかにもアメリカの一般向け科学書と言った趣で、専門的な内容を分かりやすく噛み砕いた一冊。
ただ今回のテーマが「鏡」なだけはあり、手に取るにあたってのハードルも高くはないだろうし、ありふれたテーマが故に内容も科学の一言では括れない。
本書では「鏡」をキーワードとして、この鍵が今までどのような鍵穴を開いて来たのかを一章一テーマで語り継いで行く。
基本的には時系列になってはいるが、一章一テーマの原則のせいで、章の変わり目では時間が戻ってしまう事態が時折起こるものの、丁寧な手当てがなされているために大きな混乱はない。
目次は以下の通り。
第一章 古代文明と鏡
第二章 魔法の鏡の時代
第三章 光とは何か
第四章 科学の鏡の時代
第五章 鏡に関する文学
第六章 鏡に関する絵画
第七章 宇宙を捕らえる鏡
第八章 光の正体
第九章 巨大望遠鏡の発展
第十章 鏡と虚栄産業
第十一章 幻想と現実を映す鏡
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