RSS|archives|admin


スポンサーサイト

--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


Category:スポンサー広告 | Comment(-) | Trackback(-) | top↑ |

『吸血妖魅考』感想:★★★☆☆

2011.07.06 Wed
吸血妖魅考 (ちくま学芸文庫)
吸血妖魅考 (ちくま学芸文庫)モンタギュー サマーズ 日夏 耿之介 Montague Summers

筑摩書房 2003-08
売り上げランキング : 240677


Amazonで詳しく見る
by G-Tools



 珍しく図書館で借りた本。現在は絶版。中古で買おうと思っても、お値段が結構張る。

 著者はモンタギュー・サマーズと日夏耿之介(ひなつ こうのすけ)の2人となっているが、実際はサマーズの『ヨーロッパに於ける吸血鬼 (The Vampire in Europe)』と『吸血鬼―その一族と血縁 (The Vampire; His Kith and Kin)』2著作をベースに日夏氏が仕立て上げた吸血鬼総論と、氏の随筆「吸血鬼譚」を併せて収録したもの。つまりはサマーズの著作からの引用は多いが、実際は日夏耿之介の作品である。
 なので、サマーズの著作の日本語訳を期待して読むと、肩すかしを喰らう。この2作品は未だに日本語訳は出ていないようだ。


  「吸血鬼」が現在、実際に存在すると思っている人は少数派だろう。あくまでも吸血鬼の実存を信じているらしいサマーズに対して、日夏の筆はやや冷ややかだ。
 吸血鬼とは血を啜る怪物。多くは死して後に蘇った存在。生ける屍。
 死んだはずの人間が蘇る、あるいは死人が自身の死を理解できずに生者のごとく振る舞うという話は数多い。
 それは確実に怪異ではあるが、妙な説得力を持って私に迫る。私は自分がいつから生きているかなんて知らない。ならば死んだ後にだって、自分がいつ死んだのか分からずに彷徨う可能性はある。昨日まで生きていた人が今日は死んでいる。ならば明日にはまた生きているかもしれない。
 生から死への移行は不可逆、一方通行だ。そんなことは頭では分かっている。分かっているけれども、納得しきれない。
 「○○が起こる」ことを証明するのは容易いが、「○○が起こらない」ことを証明するのは難しい。前者は1つの実例を挙げれば済むが、後者はそうはいかないからだ。ある人が死んだ。そして二度と生き返らなかった。その事実は、人間だれしもが死から蘇り得ない証明にはならない。彼が駄目でも彼女には可能かもしれない。彼女が駄目でも誰それなら出来るかもしれない。可能性はいつだってある。



スポンサーサイト
Theme:読んだ本。 | Genre:本・雑誌 |
Category:星3つ:★★★☆☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |