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『伝奇集』感想:★★★☆☆

2011.10.17 Mon
伝奇集 (岩波文庫)

J.L. ボルヘス 岩波書店 1993-11-16
売り上げランキング : 6094
by ヨメレバ


 『八岐(やまた)の園』、『工匠集』の二部からなる短編集。収録作品は以下。

八岐の園
・プロローグ
・「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」
・「アム・ムターシムを求めて」
・「『ドン・キホーテ』の著者、ピエール・メナール」
・「円環の廃墟」
・「バビロニアのくじ」
・「ハーバート・クエインの作品の検討」
・「バベルの図書館」
・「八岐の園」
工匠集
・プロローグ
・「記憶の人、フネス」
・「刀の形」
・「裏切り者と英雄のテーマ」
・「死とコンパス」
・「隠れた奇跡」
・「ユダについての三つの解釈」
・「結末」
・「フェニックス宗」
・「南部」


 しょっぱなの「トレーン、ウクバール、オルビス・テルティウス」で盛大に狼狽える羽目になった一冊。要するに、カルピスだと思って注文したら原液で出て来ました的な状態なのだと理解してしまえば、その後は理解出来た……ような気がしなくもない。
 しかし次の瞬間には、原液で飲むことを想定していないからこそカルピスはあの濃さなのであって、それをそのまま飲み物として提供するようなマネはどうなのよ、と思ってしまった。薄めて小説にしてくれ。なんだか勿体ない。

 ボルヘスの言い分はこうだ。
長大な作品を物するのは、数分間で語りつくせる着想を五百ページにわたって展開するのは、労のみ多くて功少ない狂気の沙汰である。(p.12, プロローグ)

 狂気の沙汰だからこそ、私は読みたいと思うのだけれどな。
 数分間で尽きる着想をどう読み手に提示しようか苦悩した末に生み出された五百ページの方が、数分間で読み終われる短篇よりもずっとずっと無駄で私は好きだ。
 どうやら趣味が合わないようで。
 あ、でも、着想が数多く湧き上がる身なれば、いちいち長編書いてられるか、って主張も分かります。


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Theme:読んだ本。 | Genre:本・雑誌 |
Category:星3つ:★★★☆☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |