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『火の起原の神話』感想:★★☆☆☆

2011.06.23 Thu
火の起原の神話 (ちくま学芸文庫)
火の起原の神話 (ちくま学芸文庫)J.G. フレイザー James George Frazer

筑摩書房 2009-12-09
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 『金枝篇』で有名なフレイザーが作者。翻訳は青江舜二郎
 ちなみに『火の起源の神話』ではなく、『火の起原の神話』。源ではなくて、原。

 ヒトが生活していくに当たっては、「火」は欠かせない要素だ。火は暖房として利用できるし、夜間照明としても気まぐれな月などよりもずっと上等だ。そして何よりも、火があることで料理が出来る。暖かくて柔らかい栄養価の高い食事を作るには火は必須だ。
 つまり人類にとって、火はとてもとても大切なモノなのである。我々はそんな火に対して、どんな概念を抱いて来たのだろうか。その原型を今に伝える、古の姿を残す各地域の神話を収録した1冊。

 素直に言おう。読むのが激しく苦痛であったと。
 ネタ自体は悪くないと思う。国・地域ごとの記述の量に差がありすぎるんじゃないかとか、東アジアの章があるのに日本への言及が一言も含まれていないとか、そこらへんは別にいい。各地方の神話を淡々と羅列するばかりで、考察の分量が少ないのも別にいい。
 問題は、読んでいる間に何度も何度も陥る「あれ、これさっきも読まなかったっけ?」感だ。
 収録されている神話が珍しく感じられるのも最初の内だけ。地域ごとに多少の差はあれど、ほぼ同じ鋳型で形成された神話を延々と、間違って同じページ読んでるんじゃないかとの錯覚にクラクラしながら読むのは辛すぎた。
 終盤の第十五章の古代ギリシア、第十六章の古代インドはそれまでと異質で新鮮さを感じたが、その後の第十七章の要約と結論で脱力。この最後の要約と結論、本当に要約と結論である。苦労して読んできた内容が綺麗に短く纏められている。
 これ、巻頭に掲げてくれれば良かったのに。詳しく知りたいなら以下の章を読めって形式にしてくれれば、こんな呻きながら読む苦痛感も軽減されただろうに。あぁ、無情。
 
 ちなみに、読みにくいのは翻訳者のせいではないと、翻訳者自身が「あとがき」で述べている。
 なんでも名文家として知られるフレイザー自身が、本書では己の技を発揮することを控え、多少粗雑になろうとも語られてきた神話そのままを読者に伝えることに重点を置いているそうで、故に翻訳もそれに習い素材そのままを提供しているとのこと。




 以前言っていた、一人で開催「火」フェア1冊目。
 2冊目以降があるかどうかは、微妙。



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Theme:読んだ本。 | Genre:本・雑誌 |
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