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『和鏡の文化史 水鏡から魔鏡まで』感想:★★★☆☆

2013.04.07 Sun


和鏡の文化史―水鑑から魔鏡まで (刀水歴史全書)

青木 豊 刀水書房 1992-08
売り上げランキング : 494585
by ヨメレバ


 「和鏡」とある通り、日本に於ける鏡の変遷を追った一冊。
 考古学者仲間間でのちょっとした雑談から、柄鏡は面白いのではないかと盛り上がり、その中で最も熱心なコレクターであった作者が書き上げたのがこの本とのこと。

 鏡の製造法など根本的な部分には日本は関わっていないために、基本的には模倣とその発展の話に終始しており、その点からも全体的に軽く、面白いものとなっている。
 図や写真も多く、眺めているだけでも楽しい。



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『ガラスの技術史』感想:★★★★☆

2013.03.17 Sun


ガラスの技術史

黒川 高明 アグネ技術センター 2005-07
売り上げランキング : 646655
by ヨメレバ


 タイトル通りにガラス技術の発展について、ガラスが発見された時期から現代まで順を追って語った一冊。

 分析技術もなければ科学的な思考法をも欠いていた時代から既に、ガラス職人達は数多の経験に基づいてガラス技術を発展させて来た。
 彼らは政治的条件の変化により、今まで用いてきた原料の供給を奪われ、更には燃料の枯渇に苦しみながらも、様々な色や形、品質のガラスを産み出してきた。
 その発展のためには一体どれほどの失敗と、どれほど気の長い考察が繰り返されたのだろうかと創造するだけで目眩がしそうだ。
 だがその変化はやはり緩やかなものであり、科学が花開いた時代以降の飛躍的な変化は目を見張るものがある。

 本書ではそれを8章にわけてやや重複を含みながらも、基本的には時系列で語られている。



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「アルキメデスの鏡」考・その1:紀元前から17世紀まで

2013.02.17 Sun


 「アルキメデスの鏡」とは御存知、第二次ポエニ戦争中、ローマ艦隊による包囲に三年間も持ちこたえたシュラクサイ(シラクサとも、イタリア)において天才アルキメデスが発明し、圧倒的な兵力差を誇るローマ艦隊を退け続けた伝説的兵器の一つにして、最も有名なものだ。



 しかしながら、彼が産み出したとされる弾道機や着発弾装置、巻揚機などに関する記述が初期から存在するのに対し、この光学兵器に関しての記述がようやくその片鱗を見せるのは紀元も2世紀になってからのこと。
 アルキメデスがシュラクサイを制圧したローマの一兵卒に殺された紀元前212年に対して、なんと時間が経ってからのことか。
 この時間差によってバルトルシャイティスは、日本で編まれた著作集の第4巻『鏡 科学的伝説についての試論、暗示・SF・まやかし』において、アルキメデスの鏡が後からでっち上げられた架空の存在に過ぎないとみなす。

 だが証拠の不在がイコールその出来事の否定にはならないとロバート・テンプルは言う。
 古の書物の多くがその大部分を失い、現存するのが僅かである以上、失われた部分に記述があった可能性は排除出来ないと彼は主張するのだ。
 バルトルシャイティスが『鏡』のⅣ章でアルキメデスの鏡伝説の発展を実に見事に描き出している以上、少なくともアルキメデスの鏡に関してのテンプルの言い分は分が悪い。

 だがそれでもテンプルの言い分にも一理あると思われるので、ここでは白黒はっきり付けず、と言うよりも付けられないのだが、ただ時系列にアルキメデスの鏡に関する記述を並べてみたいと思う。
 見出し、人名以外の太字は引用部分を、太字に加えて下線を施した部分は引用の引用部分を示している。

 参照は既に名前の挙がった『バルトルシャイティス著作集第4巻 鏡 科学的伝説についての試論、啓示・SF・まやかし』(ユルギス・バルトルシャイティス著、谷川渥訳、国書刊行会、1994年)、『超古代クリスタル・ミステリー すべての文明の起源は失われた「光の科学」にあった』(ロバート・テンプル著、林和彦訳、徳間書店、2001年)、さらに『鏡の歴史』(マーク・ペンダーグラスト著、樋口幸子訳、河出書房新社、2007年)の3冊。

鏡 バルトルシャイティス著作集(4) 超古代クリスタル・ミステリー―すべての文明の起源は失われた「光の科学」にあった 鏡の歴史




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『超古代クリスタル・ミステリー すべての文明の起源は失われた「光の科学」にあった』感想:★★☆☆☆

2013.02.15 Fri


超古代クリスタル・ミステリー―すべての文明の起源は失われた「光の科学」にあった

ロバート テンプル 徳間書店 2001-06
売り上げランキング : 416806
by ヨメレバ


 タイトルで忌避されそうで損な本、と言うのが一番の感想。
 確かにオカルト染みた考え方も姿を見せるものの、それらはあくまでも作者の個人的な体験・感想として処理されており、作者の言い分はなかなかに理論的でその大半は素直に聞き入れられる内容となっている。
 ただところどころでその言葉はもつれ、晦渋なものとなっているのがやや残念だが。


 本書で作者は、ある出来事が起きた証拠が現存しないことがイコールその出来事が後世の捏造とは限らないことを主張する。
 更に現在の分野が細分化されたことにより知識の範囲が狭まった専門家が見落とした、或いは現在の生活と当時の違いから理解されなくなってしまったことを拾い上げ、現在とは異なった考え方に基づいて発展した「科学」の存在を描き出してみせるのだ。その複雑さと精密さは現在にも匹敵もしくは凌駕していると彼は語る。

 主として舞台となるのは、古代エジプト、そしてギリシアである。
 太陽の光と影を手引きにピラミッドの「本当の」姿を描き出そうとも奮闘しているので、そのあたりに興味がある人には堪らないだろう。



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『鏡 科学的伝説についての試論、啓示・SF・まやかし(バルトルシャイティス著作集4)』感想:★★★★☆‏

2012.10.02 Tue


鏡 バルトルシャイティス著作集(4)

ユルギス バルトルシャイティス 国書刊行会 1994-12
売り上げランキング : 702799
by ヨメレバ


 途中から、花粉症のせいで「下を向いたら死ぬ(鼻水的な意味で)」状態の中で読む羽目になった、バルトルシャイティスの『鏡』をようやく読み終えた。

 内容はタイトル通り「鏡」をテーマに、ヨーロッパを舞台に紀元前から現代までを縦横無尽に横切りながら、「鏡」の持つ魅力とそれが喚起するイメージ、ありのままの真実を映す「鏡」または真実をゆがめて嘘だけを映し人を騙す「鏡」を語り、人間が「鏡」をどう見つめたか、そこに何を見ようとしたのかを記した書。
 特別結論じみたものは存在せず、変化自在な万華鏡を覗くかの如きめくるめく想像力と理性の一冊。


 感想としては3つ。
 1.頭の良い人ってこういう話し方するよね。
 2.物理的に重たすぎるから電子書籍にしようよ! 図版も好きに拡大出来て便利だろうし。
 3.「伝説」に復活の余地を与えるな。殺せ。ゾンビ化断固反対。


 2は実際に持ってみれば分かるが、妙にこの本は重たい。角張ってもいるので、読んでいると節々が痛くなってくる。
 こういう本こそ電子書籍にすると良いんじゃないかな。写真や図ももっと詳細なのを載せられるよ。
 って確実に赤字になるから、誰もやらないよね分かります。

 1に関しては、本書では語り手たるバルトルシャイティスは決して親切なガイドとは言えず、最低限のパンくずしか残してくれていない。
 点々と落ちているそれを手がかりに、彼の歩む道を追うのは辛い。他の本で鏡にまつわる情報を仕入れていたからまだ何とか落第せずに済んだけれど、それでも途中でドロップアウトしかけまくったよ。
 ただ豊かに飛翔する姿は実に見事で、その様を見られるならば全身筋肉痛になりながらも付いていくだけの価値はある。逆に理解出来なかった時の疲労感が凄い。
 パンくずの落とし方にはやはりある程度の規則性のようなものがあり、最初は面食らっても我慢して黙々と歩き続ければ、その内にコツを掴んで難易度は下がるのだけれど、そこまで行くのがまた辛い。



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『鏡の歴史』感想:★★★★★

2012.09.10 Mon


鏡の歴史

マーク ペンダーグラスト 河出書房新社 2007-01
売り上げランキング : 510880
by ヨメレバ


 『鏡の文化史』に続いての鏡の本。
 前回の『鏡の文化史』が「特に語るべき感想がないのが感想」だったのに対して、今回は「全面的に充ち足りたので更に言い足したいことはないです」状態。
 人間は本当に美味しいものを食べた時には無口になると聞くが、つまりは現在そういう状態。
 とは言え折角なので、面白かったよと感想を書くことで布教を図ってみよう。
 まぁ、バーゲンブックとして安く売られているのを発見した今では既に手遅れなのだろうが。


 本書『鏡の文化史』はいかにもアメリカの一般向け科学書と言った趣で、専門的な内容を分かりやすく噛み砕いた一冊。
 ただ今回のテーマが「鏡」なだけはあり、手に取るにあたってのハードルも高くはないだろうし、ありふれたテーマが故に内容も科学の一言では括れない。
 本書では「鏡」をキーワードとして、この鍵が今までどのような鍵穴を開いて来たのかを一章一テーマで語り継いで行く。
 基本的には時系列になってはいるが、一章一テーマの原則のせいで、章の変わり目では時間が戻ってしまう事態が時折起こるものの、丁寧な手当てがなされているために大きな混乱はない。

 目次は以下の通り。

  第一章 古代文明と鏡
  第二章 魔法の鏡の時代
  第三章 光とは何か
  第四章 科学の鏡の時代
  第五章 鏡に関する文学
  第六章 鏡に関する絵画
  第七章 宇宙を捕らえる鏡
  第八章 光の正体
  第九章 巨大望遠鏡の発展
  第十章 鏡と虚栄産業
  第十一章 幻想と現実を映す鏡



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『鏡の文化史』感想:★★☆☆☆

2012.08.20 Mon


鏡の文化史 (りぶらりあ選書)

サビーヌ メルシオール=ボネ
法政大学出版局 2003-09
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 正直、感想がないのが感想。
 でもまぁ折角だし、ひねりだしてみましょうか……。
 とりあえず、とても読みにくかったことを記しておきたい。原著のせいなのか、翻訳のせいなのかは知らない。


 内容紹介によると「地位の象徴,貴族の贅沢品,女性の宝物,家具…として文明を映してきた鏡の発展史を豊富な資料から解き明かし,鏡をめぐる人々の感性と生活像を多彩に描き上げる。」とのことなのだが、「多彩」かと問われると、うーん?
 その点では『鏡の歴史』の方がずっと多彩なんじゃなかろうか。こちらは未だ50p程度までしか読み進めていないけれど、それでも視野の広さの差は歴然としている。


 本書で作者メルシオール=ボネが対象とするのは、西洋の鏡もしくはガラスに限られている。
 中心がフランスとなるのは、彼女がフランスの歴史家であることを考えれば、当然のこととは言える。その他の地域が殆ど出てこないのは予想外であったが。



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『ホフマン短篇集』感想:★★★★★

2012.07.23 Mon


ホフマン短篇集 (岩波文庫)

ホフマン 岩波書店 1984-09-17
売り上げランキング : 246430
by ヨメレバ


 既に読んだことのあるものが多いのだが、それでもやっぱり面白い。ただ翻訳は以前に読んだものの方が好みかな。

 収録されているのは、以下の6作品。
・「クレスペル顧問官」
・「G町のジェズイット教会」
・「ファールンの鉱山」
・「砂男」
・「廃屋」
・「隅の窓」
 挿画はアルフレート・クービン。
 分かりにくいが、表紙は「G町のジェズイット教会」の挿画としても使われている。


 ホフマンの描く幻想と怪奇には特別の背景は不要だ。それは現実のほんの少し奥、日常の片隅で展開される。
 物語を描くのは、少し変わった人たち。彼は「普通」とは異なっているが、多くの場合本人はそのことを不幸だとは感じていない。
 だが「普通」ではない彼らは、圧倒的な質量を持つ現実と日常の「普通」の中にいつまでも存在してはいられず、物語の終末に至って淡く儚く消え去っていく。
 彼らが遺すのは、ほんの僅かの痕跡だけ。しかしそれもまた、語り手や僅かな登場人物にしか感知されることはなく、またその跡も速やかに吹き散らされて失せる。



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『スピリット』感想:★★★☆☆

2012.03.15 Thu


スピリット

ティオフィル ゴーチェ 沖積舎 1981-09
売り上げランキング : 998352
by ヨメレバ


 読んでいる間ずっと、川端康成の「片腕」が頭の隅でチラついて離れなかった。
 幻想的な雰囲気ながらやはり日本を感じさせる「片腕」と、フランスの華やかな社交界の一員を主人公とするゴーチェの「スピリット」のどこに共通項があるのかと考えてみたところ、辿り着いたのは、そのどちらもヒロインが一個の人間ではなく、主人公にとって理想の部分のみで構成された「女の一部」であるとの答えだった。しかもその部分は、主人公の好みに応じて純化されている。
 人間という存在が肉体と魂から成るのならば、魂だけの存在となった「スピリット」のヒロインもまた、「人間の一部」には違いない。
 後は作品の根底に流れる、生ける俗物に対する嫌悪か。けれどもゴーチェの「スピリット」は、川端の「片腕」ほど他者を排斥してはいないが。



 主人公ギ・ド・マリヴェールは領地とそこから上がる収入で悠々自適な暮らしを送る貴族身分である。
 二十九歳の彼は美しく、社交界でも一角の人間として認められてはいるが、そろそろ身を落着けてしかるべき年頃であった。が、彼にはその気は全くない。
 それなのに世間は、ギは美しい未亡人ダンベルクール夫人と近く結婚するのだろうと決め付けてしまっていた。当の夫人もすっかりその心つもりだ。彼は彼女に対して何の約束もしてはいないのに。
 その勘違いはギが足しげく夫人の邸を訪れることから生まれていた。ギとしてはただ、夫人の催すサロンが不愉快ではなかったこと、また欠席すると夫人から心の篭った誘いの手紙が届くことなどから、何の下心もなく通っていたのだが。

 部屋着のギが自室で寛いでいたその夜もまた、ダンベルクール夫人の茶会に出席する予定になっていた。けれども部屋はとても暖かで心地良く、寒風吹きすさぶ外になど出て行く気にはなれない。
 ギは夫人に宛てて欠席の手紙を書こうと決意し、ペンを握ったものの全く持って言葉が出てこない。ギはこの手の儀礼のみの手紙を書くのが嫌いであった。
 ただ漫然とペンを握ったままのギの手が動いた。それも本人の意思を伴わずに。すらすらと書き上げられた手紙を見たギは驚く。
 彼本来の筆跡とは奇妙に異なった文字が綴っていたのは、ダンベルクール夫人に対するギの無関心であった。それは社交界に馴染んだ彼には伝えることの出来ぬ、けれども紛れもない本心でもあった。
 ギは礼儀に適わぬその手紙を破棄し、代わりにダンベルクール夫人の茶会に出席するために立ち上がった。部屋を出て行く際に彼の耳に届いたのは、「行かないで」と言いたげな謎めいた溜息。
 その微かな、同時に酷く魅力的な溜息にギは振り返る。だがそこには当然、誰もいはしない。
 この日の異様な出来事をきっかけとして、ギは人間とは異なる世界に住まう精霊、スピリット、が寄せる彼への愛情を知ることとなる。



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