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『キリール文字の誕生 スラヴ文化の礎を作った人たち』感想:★★★★☆

2015.10.28 Wed


キリール文字の誕生―スラヴ文化の礎を作った人たち―
キリール文字の誕生―スラヴ文化の礎を作った人たち―原 求作

ぎょうせい 2014-02-21
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 今でこそ自国の言語を大事になんて言うけれど、過去には優れたご近所さんに憧れて、自国のオリジナル部分を劣ったものと見做して投げ捨てていた時代もあった訳でして。
 日本でもそんなこんなは色々とあったが、国同士が近いが故にヨーロッパ諸国ではその流れが顕著でございました。同じ仕事内容でもフランス人ってだけでお給料が良かったりね。


 そんな今とは全く異なった時代に、粗野なものとしてその国の知識人からは捨て去られた地方諸国の言語に拘る必要に駆られたのは、熾烈な勢力争いをしていたキリスト教各派。
 まだキリスト教化されていないのは、非インテリ層のみ。伸びしろはもうそこしかない。彼らを取り込むために、禁忌を破り彼らの理解出来る言語での教化に踏み切ろうと教会が決めた時、問題となったのは、彼らの言語そのものの制定であった。
 教会各派が火花を散らす時代に、東欧諸国に己の勢力を伸ばすため、正教会が送り込んだのは言語の天才コンスタンティノス(キリール)とその兄メトディオス(メフォージイ)。
 東欧諸国の、また教会各派のパワーゲームに巻き込まれ、敵味方が目まぐるしく入れ替わる中、決して一枚岩とも呼べない各国やキリスト教各派に振り回されながらも、己の仕事を成し遂げんと努力した二人の物語。そして現在のキリル文字へと繋がる物語。



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Theme:読んだ本の紹介 | Genre:本・雑誌 |
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『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』感想:★★★☆☆

2011.10.07 Fri
時間はだれも待ってくれない

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 私の本棚の事情的には文庫で出して欲しかった1冊。「21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集」がサブタイトルだが、SFよりも幻想小説に傾いている印象。

 収録作品は以下。

・オーストリア
「ハーベムス・パーパム(新教皇万歳)」 ヘルムート・W・モンマース 識名章喜・訳
・ルーマニア
「私と犬」 オナ・フランツ 住谷春也・訳
「女性成功者」 ロクサーナ・ブルンチェアヌ 住谷春也・訳
・ベラルーシ
「ブリャハ」 アンドレイ・フェダレンカ 越野剛・訳
・チェコ
「もうひとつの街」 ミハル・アイヴァス 阿部賢一・訳
・スロヴァキア
「三つの色」 シチェファン・フスリツァ 木村英明・訳
「カウントダウン」 シチェファン・フスリツァ 木村英明・訳
・ポーランド
「時間はだれも待ってくれない」 ミハウ・ストゥドニャレク 小椋彩・訳
・東ドイツ
「労働者階級の手にあるインターネット」 アンゲラ&カールハインツ・シュタインミュラー 西塔玲司・訳
・ハンガリー
「盛雲(シェンユン)、庭園に隠れる者」 ダルヴァシ・ラースロー 鵜戸聡・訳
・ラトヴィア
「アスコルディーネの愛─ダウガワ河幻想─」 ヤーニス・エインフェルズ 黒沢歩・訳
・セルビア
「列車」 ゾラン・ジヴコヴィッチ 山崎信一・訳


 解説は沼野充義。序文は編者の高野史緒。この序文はネットに公開されている。興味のある方はどうぞ。
ツァーリとカイザーの狭間で――文化圏としての東欧」(クリックで飛びます)

 全部で12作品。ハードカバーの割りに、少ないなぁ。各作品に対する感想は折りたたみ。



Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
Category:星3つ:★★★☆☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |

『現代東欧幻想小説』感想:★★★★★

2011.06.20 Mon

現代東欧幻想小説 (1971年)
現代東欧幻想小説 (1971年)徳永 康元

白水社 1971
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 河出文庫の『東欧怪談集』(記事はこちら→「『東欧怪談集』感想:★★★★★」)の次は、『現代東欧幻想小説』で。
 本書には編訳者として吉上昭三、直野敦、栗原成郎、田中一生、千野栄一、徳永康元の6人の名前が記載されているが、「あとがき」も書いておられることから、吉野昭三氏を責任編者と見なすこととし、当ブログのカテゴリー分けに使用した。


 収録作品は以下の25作品。
 一作家一作品だった『東欧怪談集』とは違い、同作家から複数の作品が掲載されている場合が多い。

・ポーランド 吉上昭三 訳
「抽斗のなか」 スワヴォーミル・ムロージェック
「旅の道すがら」 スワヴォーミル・ムロージェック
「蠅の独白」 スワヴォーミル・ムロージェック
「原始村の婚礼」 スワヴォーミル・ムロージェック
「小さな友」 スワヴォーミル・ムロージェック
「猫物語」 ヤロスワフ・イワシュキェーヴィッチ
「耳」 ヤン・ブジェフヴァ
「輪回し」 イェジー・フィツォフスキ
「バンベリ号上の出来事」 ヴィトルゴ・ゴンブローヴィッチ
・ルーマニア 直野敦 訳
「カリファールの水車小屋」 ガラ・ガラクティオン
「車が淵」 ガラ・ガラクティオン
「肖像画」 ヴラディミール・コリン
「ボート遊び」 ヴィンティラ・イヴァンチヤヌ
「仕事机に向かって」 ヴィンティラ・イヴァンチヤヌ
・ユーゴスラヴィア 栗原成郎・田中一生 訳
「象牙の女」 イヴォ・アンドリッチ 栗原成郎訳
「イェレーナ、陽炎の女」 イヴォ・アンドリッチ 田中一生訳
・チェコスロヴァキア 千野栄一 訳
「足跡」 カレル・チャペック
「エレジー」 カレル・チャペック
「飛ぶ夢」 イヴァン・ヴィスコチル
「快癒」 イヴァン・ヴィスコチル
「そうはいっても飛ぶのはやさしい」 イヴァン・ヴィスコチル
「アインシュタインの頭脳」 ヨゼフ・ネズヴァドバ
「妻」 ルドヴィーク・ヴァツリーク
「要塞」 アレクサンドル・クリメント
・ハンガリー 徳永康元 訳
「死神と医者」 ヘルタイ=イェネー


 以下は個人的感想。


Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
Category:星5つ:★★★★★ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |

『東欧怪談集』感想:★★★★★

2011.06.19 Sun
東欧怪談集 (河出文庫)
東欧怪談集 (河出文庫)沼野 充義

河出書房新社 1995-01
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 読み終わったのはいつだよ、な感じの遅すぎる感想。
 河出の怪談集シリーズの例に漏れず、本書もまた怪談と言うよりも幻想小説の傾向が強い。
 ちなみに、「東欧」とはなんぞや? との問いに関しては、本書の編集をした沼野充義氏はあとがきで以下のように述べている。
僕にとってこの「東欧」とは、単なる地理的な概念でもなければ、政治的な色分けでもない。それはしいて言えば、文学的想像力のあり方に関わることなのだ。アジアに向き合ったときはヨーロッパ的な文化の強力な擁護者として立ち現れるものの、西欧に対してはどうしても「田舎くさい」非ヨーロッパ的な闖入者のように見えてしまい、西方的な洗練された形式と、東方的などろどろした混沌のあわいに、捉えどころのない姿を変幻自在に見せては、また深い裂け目の中に消えていく幻影のようなもの。(p.423)

 ヨーロッパを美化しすぎじゃないですか、と思わないでもないが、つまりは西欧とアジアの狭間ってところですかね。
 そんな訳で、ロシアからも1作品が収録されております。
 
 収録されているのは以下26作品。

・ポーランド
「『サラゴサ手稿』第五十三日 トラルバの騎士分団長の物語」 ヤン・ポトツキ 工藤幸雄・訳
「不思議通り」 フランチシェク・ミランドラ 長谷見一雄・訳
「シャモタ氏の恋人」 ステファン・グラビンスキ 沼野充義・訳
「笑うでぶ」 スワヴォーミル・ムロージェック 沼野充義・訳
「こぶ」 レシェク・コワコフスキ 沼野充義・訳 芝田文乃・訳
「蠅」 ヨネカワ・カズミ 坂倉千鶴・訳
・チェコ
「吸血鬼」 ヤン・ネルダ 石川達夫・訳
「ファウストの館」 アロイス・イラーセク 石川達夫・訳
「足あと」 カレル・チャペック 栗栖継・訳
「不吉なマドンナ」 イジー・カラーセク・ゼ・ルヴォヴィツ 石川達夫・訳
「生まれそこなった命」 エダ・クリセオヴァー 石川達夫・訳
・スロヴァキア
「出会い」 フランチシェク・シヴァントネル 長與進・訳
「静寂」 ヤーン・レンチョ 長與進・訳
「この世の終わり」 ヨゼフ・プシカーシ 木村英明・訳
・ハンガリー
「ドーディ」 カリンティ・フリジェシュ 岩崎悦子・訳
「蛙」 チャート・ゲーザ 岩崎悦子・訳
「骨と骨髄」 タマーシ・アーロン 岩崎悦子・訳
・ユダヤ
「ゴーレム伝説」 イツホク・レイブシュ・ペレツ 西成彦・訳
「バビロンの男」 イツホク・バシヴィス(アイザック・シンガー) 西成彦・訳
・セルビア
「象牙の女」 イヴォ・アンドリッチ 栗原成郎・訳
「『ハザール事典』 ルカレヴィチ、エフロシニア」 ミロラド・パヴィチ 工藤幸雄・訳
「見知らぬ人の鏡 『死者の百科事典』より」 ダニロ・キシェュ 栗原成郎・訳
・マケドニア
「吸血鬼」 ペトレ・M・アンドレエフスキ 中島由美・訳
・ルーマニア
「一万二千頭の牛」 ミルチャア・エリアーデ 直野敦・訳
「夢」 ジブ・I・ミハエスク 住谷春也・訳
・ロシア
「東スラヴ人の歌」 リュドミラ・ペトルシェフスカヤ 沼野恭子・訳

 目次では国別に書いてあるが、本文では「この作品からマケドニア」と言った記載は全くない。
 ポーランドの作品多いなーと思っていたら、気が付いたらチェコの後半にさしかかっていてビックリした記憶が。
 まぁ、作品の頭に載せられている著者略歴から気が付けって話ですが。

 ちなみに本書のウリは、パヴィチの「『ハザール事典』 ルカレヴィチ、エフロシニア」以外の全てを原語から直接訳したことなんだそうな。
 この本が出た1995年の時点では、東欧のようなマイナーな原語に於いては、一度英訳されたものから日本語に訳す重訳がまかり通っていたらしく、沼野充義氏は他の原語を介さずに直接日本語にすることに拘ったのだと「編者あとがき」で述べている。

 以下は、収録作品に対する私の感想。



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