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『南欧怪談三題』感想:★★★★☆

2011.11.04 Fri

南欧怪談三題 (転換期を読む)

ジュゼッペ・トマージ・ディ ランペドゥーザ
未来社 2011-10-27
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by ヨメレバ


 怪談と言っても、最近のおどろおどろしい血みどろスプラッタ劇ではなく、死と生の狭間の揺らめく命を幻想と夢想によって紡いだ柔らかな物語を指す。タイトル通りに収録作は以下の3作品。
・ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーザ「鮫女(セイレン)」
・アナトール・フランスの「亡霊のお彌撒(ミサ)」
・プロスペル・メリメの「ヰギヱの女神(ヴェヌス)」

 最後の「ヰギヱの女神」のヰギヱとはイールのカタロニア読みであり、女神とはヴィーナスのことである。つまりこれは私が『フランス怪談集』で読んだ「イールのヴィーナス」と同じ作品なのでありました。何故タイトルと著者名で思い出さなかった、私。
 『メリメ怪奇小説選』にも「ヴィーナスの殺人」とのタイトルで収録されているようなので(でもこのタイトルはネタバレなんじゃ……)、既にお持ちの方はお気を付けください。
 とは言え、本書収録の作品はどれも西本晃二の手による新訳ではあるのですが。


 メリメの作品が『フランス怪談集』に収録されていることからも分かるように、本書のタイトルに冠されている「南欧」が示すのは著者の出身ではなく、作品世界の舞台・主題の物理的・精神的な位置であります。
 どれも良い作品だとは思うものの、短篇三作品で1,800円は高いのではなかろうか。『フランス怪談集』なんて「イールのヴィーナス」の他に、ゴーチェの「死霊の恋(クラリモンド)」やネルヴァルが入って文庫だもの。まぁ昨今の不況じゃあ仕方がないのかな。
 とは言え、地味に校正抜けがあるのは何とかならなかったのか。「これ誤字だよな……」を複数回経験した後で、解題にて翻訳者の日本語表記への拘りっぷりを聞かされるなんて、もはやどんな顔して良いのか分からないのですが。あと、「ヰギヱの女神」だけ表題ページに西暦(底本の成立年?)が記載されているのは何故?


 と文句が多めになっているけれど、作品自体はとても面白かったですよ。翻訳者が拘ったらしいルビ多用の書き方は好き嫌いが分かれるところでしょうが。
 それぞれの作品に対する感想は以下、折りたたみ。



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『水妖記―ウンディーネ』感想:★★★★☆

2011.06.24 Fri
水妖記―ウンディーネ (岩波文庫 赤 415-1)
水妖記―ウンディーネ (岩波文庫 赤 415-1)フーケー 柴田 治三郎

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 ヨーロッパの民間伝承からフーケが生み出した、ドイツロマン派の幻想的な物語。


 恐ろしい森を抜けた先で騎士フルトブラントは、周囲から孤立して生活する老夫婦と、彼らに養育される美しい少女ウンディーネと出会うところから物語は動き始める。
 美しいが我が儘で自由気ままであり、どこか人間離れした雰囲気を纏うウンディーネにフルトブラントは恋に落ちる。森の奥の老夫婦の家で結婚式を挙げた二人は、フルトブラントが暮らしてきた町に居を定めるのだが……。


 と、こんな具合で進行する『人魚姫』(≠リトルマーメイド)を思わせる物語。
 以下ネタバレを含むので、折りたたみ。



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