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『ホフマン短篇集』感想:★★★★★

2012.07.23 Mon


ホフマン短篇集 (岩波文庫)

ホフマン 岩波書店 1984-09-17
売り上げランキング : 246430
by ヨメレバ


 既に読んだことのあるものが多いのだが、それでもやっぱり面白い。ただ翻訳は以前に読んだものの方が好みかな。

 収録されているのは、以下の6作品。
・「クレスペル顧問官」
・「G町のジェズイット教会」
・「ファールンの鉱山」
・「砂男」
・「廃屋」
・「隅の窓」
 挿画はアルフレート・クービン。
 分かりにくいが、表紙は「G町のジェズイット教会」の挿画としても使われている。


 ホフマンの描く幻想と怪奇には特別の背景は不要だ。それは現実のほんの少し奥、日常の片隅で展開される。
 物語を描くのは、少し変わった人たち。彼は「普通」とは異なっているが、多くの場合本人はそのことを不幸だとは感じていない。
 だが「普通」ではない彼らは、圧倒的な質量を持つ現実と日常の「普通」の中にいつまでも存在してはいられず、物語の終末に至って淡く儚く消え去っていく。
 彼らが遺すのは、ほんの僅かの痕跡だけ。しかしそれもまた、語り手や僅かな登場人物にしか感知されることはなく、またその跡も速やかに吹き散らされて失せる。



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Theme:最近読んだ本 | Genre:本・雑誌 |
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『ラピスラズリ(ちくま文庫)』感想:★★★☆☆

2012.02.04 Sat

ラピスラズリ (ちくま文庫)

山尾 悠子 筑摩書房 2012-01-10
売り上げランキング : 8741
by ヨメレバ


 読んだのはちくま文庫版。
 作者による「あとがき」によれば、国書刊行会から出た単行本版に全面的に手を入れたとのこと。

 収録されているのは5作品。
・「銅板」
・「閑日」
・「竈の秋」
・「トビアス」
・「青金石」
 全部合わせても250ページを超えない小さな1冊。



Theme:オススメの本 | Genre:本・雑誌 |
Category:星3つ:★★★☆☆ | Comment(0) | Trackback(0) | top↑ |

『南欧怪談三題』感想:★★★★☆

2011.11.04 Fri

南欧怪談三題 (転換期を読む)

ジュゼッペ・トマージ・ディ ランペドゥーザ
未来社 2011-10-27
売り上げランキング : 250359
by ヨメレバ


 怪談と言っても、最近のおどろおどろしい血みどろスプラッタ劇ではなく、死と生の狭間の揺らめく命を幻想と夢想によって紡いだ柔らかな物語を指す。タイトル通りに収録作は以下の3作品。
・ジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーザ「鮫女(セイレン)」
・アナトール・フランスの「亡霊のお彌撒(ミサ)」
・プロスペル・メリメの「ヰギヱの女神(ヴェヌス)」

 最後の「ヰギヱの女神」のヰギヱとはイールのカタロニア読みであり、女神とはヴィーナスのことである。つまりこれは私が『フランス怪談集』で読んだ「イールのヴィーナス」と同じ作品なのでありました。何故タイトルと著者名で思い出さなかった、私。
 『メリメ怪奇小説選』にも「ヴィーナスの殺人」とのタイトルで収録されているようなので(でもこのタイトルはネタバレなんじゃ……)、既にお持ちの方はお気を付けください。
 とは言え、本書収録の作品はどれも西本晃二の手による新訳ではあるのですが。


 メリメの作品が『フランス怪談集』に収録されていることからも分かるように、本書のタイトルに冠されている「南欧」が示すのは著者の出身ではなく、作品世界の舞台・主題の物理的・精神的な位置であります。
 どれも良い作品だとは思うものの、短篇三作品で1,800円は高いのではなかろうか。『フランス怪談集』なんて「イールのヴィーナス」の他に、ゴーチェの「死霊の恋(クラリモンド)」やネルヴァルが入って文庫だもの。まぁ昨今の不況じゃあ仕方がないのかな。
 とは言え、地味に校正抜けがあるのは何とかならなかったのか。「これ誤字だよな……」を複数回経験した後で、解題にて翻訳者の日本語表記への拘りっぷりを聞かされるなんて、もはやどんな顔して良いのか分からないのですが。あと、「ヰギヱの女神」だけ表題ページに西暦(底本の成立年?)が記載されているのは何故?


 と文句が多めになっているけれど、作品自体はとても面白かったですよ。翻訳者が拘ったらしいルビ多用の書き方は好き嫌いが分かれるところでしょうが。
 それぞれの作品に対する感想は以下、折りたたみ。



Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
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『人形(書物の王国・7)』感想:★★★★☆

2011.09.04 Sun
人形 (書物の王国)
人形 (書物の王国)種村 季弘 エルンスト・テーオドア・アマデーウス

国書刊行会 1997-12
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  テーマに沿った小説、詩、エッセイを集めるシリーズ「書物の王国」から、今回は『人形』を。
 前に読んだ『吸血鬼』は今も昔も人気のテーマだけれど、それに比べて人形はどうかなーと思っていたのだが、不要な心配だったようだ。


 責任編集者は服部正。収録作品は以下。

・「人形幻想」 種村季弘
・「蒲団の国」 スティーヴンソン、水谷まさる・訳
・「クルミ割り人形とネズミの王様」 ホフマン、前川道介・訳
・「しっかり者の錫の兵隊」 アンデルセン、大畑末吉・訳
・「マルスリーヌ」 レニエ、志村信英・訳
・「彫像の呪い」 ハーディ、高畠文夫・訳
・「代書人」 ゲルドロード、酒井三喜・訳
・「女王人形」 フエンテス、木村榮一・訳
・「人形つくり」 北原白秋
・「泥人形の兄」 紀昀『閲微草堂筆記』、武田武彦・訳
・「人形奇聞」 高古堂主人『新説百物語』、須永朝彦・訳
・「承久二年五月の夢」 明恵上人『明恵上人夢日記』、服部正・訳
・「人形つかい」 日影丈吉
・「雛がたり」 泉鏡花
・「人形」 江戸川乱歩
・「ものいう人形」 柴田宵曲
・「マリオネット劇場について」 クライスト、佐藤恵三・訳
・「悪魔の創造」 澁澤龍彦

 全部で19作品収録。
 感想は続きを読む以下で。


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