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『飛行人間またはフランスのダイダロスによる南半球の発見―きわめて哲学的な物語』感想:★★★★☆

2011.10.23 Sun
飛行人間またはフランスのダイダロスによる南半球の発見―きわめて哲学的な物語
飛行人間またはフランスのダイダロスによる南半球の発見―きわめて哲学的な物語 (1985年)レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ 植田 祐次

創土社 1985-01
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 本作が世に出たのは1781年。ルイ十六世の即位が1774年、王の処刑が1794年だ。
 一つの時代が終焉を迎えつつあったが故に、人々は次の時代に様々な理想郷を想像したのだろう。これもまた、レチフの夢である。彼のユートピア。彼のための、ユートピア。


 物語はレチフこと「ニコラの大将」はある日、乗合馬車の中で奇妙な猿を連れた不思議な人物と知り合いになるところから始まる。彼はニコラの大将に、自分は南半球の人間であること、南半球にはヨーロッパ人が知らない島々があり、そこには様々な「人類」が今も存在していることを語り始める。

 南半球の男は言う、全ては一人の人間の夢から始まったのだと。その男の名はヴィクトラン。彼は身分違いの恋を叶えるために、ギリシア神話のダイダロスよろしく人工翼を開発したのだ。
 翼を上手く操れるようになったヴィクトランは、誰も立ち入れぬ険しい山の上に自分の楽園を作る。その土地だけで完結した生活が送れるように家畜や作物を運び、またそれらの世話をするための人間をも連れてくる。彼は彼だけの人工翼で彼らを脅し、自分を魔法使いだと思わせるのに成功したのだ。ヴィクトランを絶対支配者とする「国」の成立である。
 準備を整えたヴィクトランは、ついに恋しいお嬢様であるクリスチーヌを攫う。犯人がヴィクトランだとは知らぬクリスチーヌは彼を命の恩人だと思い込み、彼を愛するようになる。

 ヴィクトランの幸福は続くが、彼の国は徐々に手狭になりつつあった。クリスチーヌを攫ったのが自分であることを告白し、さらにその行為に対する許しをも得たヴィクトランは、クリスチーヌのための(と言いながらも、結局は彼自身の幸福のためだ)新たな土地を欲するようになる。
 そして飛び出した先が、南半球なのである。

 
 長くなってきたので、ここで一旦折りたたみ。ネタバレ全開でお送りします。


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Theme:読書感想 | Genre:本・雑誌 |
Category:星4つ:★★★★☆ | Comment(2) | Trackback(0) | top↑ |