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映画『サラゴサの写本』感想:★★★★☆

2014.02.05 Wed

サラゴサの写本 Blu-ray
サラゴサの写本   Blu-ray
紀伊國屋書店 2014-01-25
売り上げランキング : 3507


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 骸骨、また骸骨、そして首吊り屍体。層を変え、あるいは変えずに只管繰り返される堂々巡り。そうここは、神の手の及ばぬ地サラゴサ。
 ただの人の身なれば、出来ることはただ一つ――逃げ出すことのみ。果たして逃げ切れるものなのかは、分からぬけれど。

 時はナポレオン戦争時代。サラゴサでは戦闘が激化していた。
 とあるフランス軍将校は敵に囲まれ、半ば廃屋と化した宿屋へと逃げ込む。そこで見つけたのは、一冊の大判本。
 美しい絵の入ったそれに将校が魅入られている間に、宿屋はスペイン軍に制圧されてしまった。だがフランス軍の将校は動じず、本を読み終わるまで待てと言い放つ。
 それに対してスペイン軍将校は、その物語の主人公が自分の祖父であることに気が付き、フランス軍将校のためにその本を翻訳しつつ読み上げてやることにする。
 将校の口が紡ぐのは、アルフォンスの不可思議な物語。
 


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Theme:映画レビュー | Genre:映画 |
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『未来の回想』感想:★★★★★

2014.01.22 Wed


未来の回想

シギズムンド・クルジジャノフスキイ
松籟社 2013-10-22
売り上げランキング : 255914
by ヨメレバ


 時間は誰にとっても均等に流れる……だがなんとか、誰かの名言らしきものを聞いたのは一体いつだったのだろう。
 チックタック、チックタック、ただ只管に流れ行く時間は圧倒的な強者である。誰もが彼女に跪き、反逆は許されない。
 だがそんな時間に勝負を挑む者がいた。マクシミリアン・シュテレル。本書の主人公だ。


 子供に時計に、そして時間という概念に取り付かれた彼は、全てを時間に捧げる。
 他のものを投げ打って研究に、との形容句はシュテレルには当て嵌まらない。彼には時間しかなかったのだから。
 友人関係も人間性すらも持ち得ず、まっすぐに時間と取り組まんとするシュテレルではあったが、しかし、それを時代(それは時間の集合体だ)は許してはくれない。
 シュテレルはドイツとの戦争に駆り出され、革命の波にぶつかり、彼の「時間切断機」の研究は前途を阻まれてしまう。それは征服されることを拒絶する時間からの抵抗であった。
ノートの一冊に、シュテレルはこう苦々しく記している――「今日二二歳になった。ぼくが呑気に瞑想している時間に、時間は時間をめぐる闘いにおいて時間を稼いでいる」。この数行後にはこう書かれている――「時間は過ぎ去るがゆえに常に勝つ。ぼくが時間から意味を奪うよりも早く、時間がぼくから生を奪ってしまうのが先か、それとも……」(p.25-26)



しかし、第三の可能性があります――私、マクシミリアン・シュテレルは拘束服からも拒絶される狂人であり、私によって語られたことはみな譫言で戯言だという仮説です。ひとつ、衷心からの助言をさせてください――この最後の仮説を採ったほうがよろしい。それが一番有益かつ堅固で、安全ですから。(p.119)


 彼の一部に共鳴する人物はいても、彼そのものを理解し彼そのものと共鳴し得る人物は登場しない。
 シュテレルにとっては、そんな人物の有無などどうでもいいことのはずなのに、読んでいる身にはなんとも切ない。
 それはそこに作者クルジジャノフスキイの姿を見てしまったからだろう。彼はこの『未来の回想』を世に出すチャンスを見出せぬままこの世を去ったのだから。何の因果か、執筆から60年経って初めて、その原稿は引き出しから抜け出し日本語にまで成ったのだが。


Theme:読んだ本。 | Genre:本・雑誌 |
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『オートラント綺譚』感想:★★★★★

2013.11.20 Wed


オートラント綺譚
オートラント綺譚ロベルト コトロネーオ Roberto Cotroneo

而立書房 2013-10
売り上げランキング : 347917


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 イタリアはオートラント。キリスト教徒の住まう彼の地は1480年8月12日トルコ人に侵略され、住民の多くが虐殺された。
 彼らはあらゆる物を破壊したが、しかし、教会の床に配されたモザイク画だけは傷つけなかった。
 だが時間は価値のあるものにも、ないものにも平等に襲い掛かる。全ては移り変わり、不変のものなどありはしない。モザイクもまた、徐々に時間に磨耗されていく。
 その絵が示す意図はもはや闇に消え、誰にも読み解けない。モザイクを構成する小さな破片たちは、静かに静かに劣化を続ける。かつての色も意味も、今は失われてしまった。

 だが時間は価値のあるものにも、ないものにも平等に襲い掛かる。全ては移り変わり、不変のものなどありはしない。
 ――本当だろうか? 本当に今や全て失われてしまったのか?
 違う、彼らは待っている。
 異教徒による侵略と暴力の記憶を刻み、キリスト教徒の苦難と彼らの命が流した血により特別の地となったオートラント。そこには当時の出来事が、今も変わらずに漂っている。
 彼らは待っているのだ。歴史の輪が閉じられるのを。そしてまた、変わらずに、そして新しく始まるのを。



 オランダ人である「私」は、長い時代を生き抜いてきたモザイクの修復のためにオートラントを訪れる。
 だが彼女にとってオートラントは、ただの仕事場ではなかった。それは唐突に海へと消えてしまった母親が「私」に残した唯一の縁、彼女の一族が辿った歴史を秘めた地であり、またそこは「私」の父親が決して見ることのなかった南国の光が差し込む場所でもあった。
 時間に磨耗させられたモザイクが秘める歴史、その絵自体が密やかに示す意味、小さな破片から成るモザイク自体が「私」を絡めとり、オートラントに、彼女をこの世に生み出した先祖たちの歩みをその頭に吹き込む。

 過去から現在へ、そしてその先へ。時間の経過はしかし、ここでは混乱している。
 最初に光があった。オランダの陰鬱な光とは違う強烈なオートラントのそれは、正午には悪魔を送り込む。
 「私」が日々修復するモザイクの小片は彼女の手の中で溶け、「私」が日々歩くオートラントは彼女に囁きかける影に満ちている。
 「私」がモザイクに意味を、オートラントに己の出自を見出そうとすればするほど、焦点はぼやけ全ては無に、あるいは有に広がり続ける。
 もはや時間は無意味だ。全ては偶然、最初に光を生み出したもうた神が振るサイコロの目に過ぎない。だがそれは、覆い返すことの出来ない偶然なのである。

 この男が私に何を言わんとしてたのかが、分かりだした。それとともに、怖くもなっていた。自分の生命が宙ぶらりん以上であり、偶然や不確定なものの暴力以上なのだということを感じつつあった。(p.144)


いいですか、現代世界では偶然は神の介在と両立しないかに見えます。でも、古代人や中世人にはそうではなかったのです。彼らにとっては、偶然は聖なるもののあらゆる徴表を持っていました。つまり、それは人智美の暴力を発揮できるのと同じように、彼らに恩恵を施すこともできる、というのです。(p.144)



Theme:読んだ本の紹介 | Genre:本・雑誌 |
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"The Kiss of the Unborn and Other Tales"感想:★★★★☆

2013.08.09 Fri


Kiss of the Unborn and Other StoriesKiss of the Unborn and Other Stories
Fyodor Sologub

University of Tennessee Press 1978-12
売り上げランキング : 543496

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 Amazonでは発売日が1978年12月になっているが、実物にはコピーライトは1977年と記されているから、つまり実際に発行されたのは1977年ってことで良いのかな。
 日本の発行物みたいに印刷だの初版だの改版だのの日付を末尾にきっちりはっきり書いてくださると、嬉しいんだけどなぁ。
 と、何気に気になってこのブログのコピーライトを見たら2013年になっていた。2011年からやっているのに、2013年だけしか表記がないとか素敵。以前はあった気がするんだけど。
 まぁ日本では単なるオシャレくらいの意義しかないから、別に良いか。


 と話が盛大に逸れたが、収録作品は以下。いつものように、日本語翻訳がある物には邦題を付した。
・The Wall and The Shadows:光と影
・The Worm
・The Hoop:輪
・Hide-and-Seek:かくれんぼ
・Beauty:美
・The Beloved Page
・The Youth Linus:少年の血
・Death by Advertisement
・In the Crowd:群集の中にて
・The Queen of Kisses
・The Search:身体検査
・The Red-Lipped Guest:赤い唇の客
・The Kiss of the Unborn:生まれて来なかった子供のキス
・The Lady in Bonds: A Legend of the White Night:囚われの女
・She Wore a Crown:花冠



Theme:洋書 | Genre:本・雑誌 |
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"THE SWEET-SCENTED NAME, AND OTHER FAIRY TALES, FABLES, AND STORIES"感想:★★★☆☆

2013.08.03 Sat


The Sweet-Scented Name, and Other Fairy Tales, Fables and StoriesThe Sweet-Scented Name, and Other Fairy Tales, Fables and Stories
Fyodor Sologub Stephen Graham

Nabu Press 2010-08-19
売り上げランキング :

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 "THE OLD HOUSE AND OTHER TALES"と同じく、今では無料で読めるソログープ短編集。
 とは言えども書影がないと寂しいので、復刊(?)されている内で一番私が好きな表紙のを貼っておく次第。

 収録作は以下。日本語翻訳がある場合は、その隣に邦題を付した。
・WINGS:翼
・THE SWEET-SCENTED NAME:よい香のする名前
・TURANDINA:ツランディナ
・LOHENGRIN
・WHO ART THOU?:お前は誰だ?
・THE DRESS OF THE LILY AND THE CABBAGE:百合の着物とキャベツの着物
・SHE WHO WORE A CROWN:花冠
・THE DELICATE CHILD:かよわい子供
・THE BIT OF CANDY:砂糖菓子のかけら
・THE LUMP OF SUGAR:砂糖の塊
・THE BULL:牡牛
・THE GOLDEN POST:金色の柱
・SO AROSE A MISUNDERSTANDING:こうして誤解は起こった
・FROGS:蛙
・THE LADY IN FETTERS:囚われの女
・THE KISS OF UNBORN:生まれてこなかった子供のキス
・THE HUNGRY GLEAM:餓の光
・THE LITTLE STICK:小さな杖
・EQUALITY:平等
・ADVENTURE OF A COBBLE-STONE:小石の冒険
・THE FUTURE:未来
・THE ROAD AND THE LIGHT:道と灯り
・THE KEYS:合鍵
・THE INDEPENDENT LEAVES:独立した葉
・THE CRIMSON RIBBON:赤いリボン
・SLAYERS OF INNOCENT BABES:少年の血
・THE HERALD OF THE BEAST:獣の使者
・ON THE OTHER SIDE OF THE RIVER MAIRURE:森の主
・THE CANDLES:二本の蝋燭、一本の蝋燭、三本の蝋燭



Theme:読んだ本 | Genre:本・雑誌 |
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『パウリーナの思い出に』感想:★★☆☆☆

2013.08.02 Fri


パウリーナの思い出に (短篇小説の快楽)

アドルフォ・ビオイ=カサーレス 国書刊行会 2013-05-30
売り上げランキング : 4685
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 日本初のビオイ=カサーレス短編集。収録作品は以下。

・「パウリーナの思い出に」
・「二人の側から」
・「愛のからくり」
・「墓穴掘り」
・「大空の陰謀」
・「影の下」
・「偶像」
・「大熾天使」
・「真実の顔」
・「雪の偽証」

 個人的な感想は「この作者はきっと凄く良い人なんだろうな」に尽きる。
 どの作品の根底にも肯定の意思が流れており、そこには否定や排除といった冷たい要素は存在しない。作中で起こる怪異あるいは不思議すらも、あるがままの大きさで受け止められている。
 その何事も受け入れるおおらかさと、不可思議な出来事をも平気で育み動じない様は、いかにも異国的であり、そこが魅力でもあるのだろう。
 作者の意図するところもキッチリと語られるあたりに、書き手の優しさを感じないではいられない。


 ……なんかもう行間から滲み出ちゃってる気がするのでとっとと白状しておくと、私はあまりこの手の作品が好きではない。
 私が求める読書体験はあくまでマゾヒスティックなものであって、いわば極寒もしくは灼熱をこそ熱望しているのであります。こんな生温い快適温度は欲していないのですよ。
 いちいちキッチリハッキリ作品意図を解説してくれるサービスも欲しくない。その態度が鼻に付くとまでは言わないが、お楽しみを減じられた感はある。
 「この作品って何? 作者は何が書きたかったの?」と読後に妄想するのも読書の愉しみでございましょうに、その方向性の愉悦はほぼ生き残ってはいない。興ざめと表現するのが一番近いだろうか。
 読後の妄想なだけに、その馳せる先が書き手の意図と遥かに離れるどころか正反対にすらなることもあるだろうが、そんなところまで関与される覚えはない。一度読まれた物が、読み手の中でどう消化吸収され再構成されるかは、読み手の勝手でありましょう。

 ただこれも私個人の好みでしかないのも分かっている。
 熱帯の植物の如く逞しい生命力を根底に響かせながら、優しく奇想天外に紡がれる物語たちには確かに魅力があるし、曖昧模糊としながらも突如鮮やかな「意外」を見せる文体もなかなかに得がたい体験だ。
 以下、各作品についてつらつらと。



Theme:読んだ本 | Genre:本・雑誌 |
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『小悪魔(モダン・クラシックス)』感想:★★★★★

2013.06.17 Mon


小悪魔 (1972年) (モダン・クラシックス)小悪魔 (1972年) (モダン・クラシックス)
フョードル・ソログープ 青山 太郎

河出書房新社 1972-12-17
売り上げランキング : 1789307

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 「光と影」や「かくれんぼ」などの短篇で知られるソログープの長編作品。
 彼の描く短篇はごく普通の、まぁ多少は夢見がちな、人々がふとしたきっかけから幻想あるいは思い込みに取り付かれ、その人生を大きく変化させてしまうとの筋書きのものが多い。
 幻想に魅入られる主人公の多くは無垢な子供、少なくとも現実の醜さに耐えられない繊細な人物だ。

 が、今回の『小悪魔』は違う。
 この作品でも主人公ペレドーノフは幻想あるいは思い込みに取り付かれて破滅するし、彼を取り巻く環境は劣悪だ。だがペレドーノフその人もまた、環境に負けず劣らず劣悪な人物なのである。


 ペレドーノフはギムナジウムの教師である。定職を持ち出世欲の強い彼のことを、周囲の人間は自分の娘の良き婿候補と見做し、ことあるごとに結婚の斡旋を行うのだった。
 だがペレドーノフには既に同棲している女があった。この女ワルワーラは美しくもなければ機知に富んだ会話が出来るわけでもなし、更には財産もなく、そもそもペレドーノフは彼女を愛してはいないのだ。
 そんなワルワーラがペレドーノフを捕まえておける理由はたった一つ。彼女の親戚に公爵夫人がいるからだ。その夫人が口をきいてさえくれれば、ペレドーノフは視学官の地位を得られると言うのだ。
 出世欲の強いペレドーノフは、ワルワーラの言う公爵夫人なるあやふやな親戚を当てにして、ワルワーラと暮らし続けていた。ワルワーラはワルワーラで夫人を喜ばすために、早く自分と結婚しろと迫る。
 だが疑り深いペレドーノフは、ワルワーラとの結婚は公爵夫人が自分を視学官にしてくれてからだと譲らない。
 実際のところ公爵夫人とは親しくないワルワーラは焦った。このままではペドーノフは自分の嘘に気が付き、自分を捨てて他の娘と結婚してしまうのではないだろうか。もう若くもないワルワーラには、ペレドーノフほどの良い物件は二度と手に入らないに違いないのに。
 そこでワルワーラは友人と共謀して、公爵夫人の手紙をでっち上げることにした。



Theme:読んだ本の紹介 | Genre:本・雑誌 |
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『童話集 よわい子供』感想:★★★☆☆

2013.06.12 Wed




 『童話集 金色の柱』と内容は同一。
 どちらも目次記載のページと実際にズレがある。目次記載のページは若干異なっているが。
 以下の27作品を収録。



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"THE OLD HOUSE AND OTHER TALES"感想:★★★★★

2013.06.04 Tue


The Old House, and Other TalesThe Old House, and Other Tales
Fyodor Sologub John Cournos

Nabu Press 2011-09-08
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 JOHN COURNOS翻訳による、ロンドンはMARTIN SECKER社が1915年に発行したフョードル・ソログープの短編集。
 著作権の切れた本の再出版を手がけているらしい複数の出版社から少し前に再度出版されており、それらならば現在も新本で手に入るようだ。
 上の書影はその中から最も表紙が素敵なのを選んで使っている。
 MARTIN SECKER社のオリジナル版は既にネット上にアップロードされ誰でも読めるようになっており、私はそちらを利用させて貰った。

 収録作品は以下の11作品。最も一般的と思われる邦題を付した。

・THE OLD HOUSE:古い家
・THE UNITER OF SOULS:魂の結合者
・THE INVOKER OF THE BEAST:獣の使者
・THE WHITE DOG:白い犬
・LIGHT AND SHADOWS:光と影
・THE GLIMMER OF HANGER:餓の光
・HIDE AND SEEK:かくれんぼ
・THE SMILE:微笑
・THE HOOP:輪
・THE SEARCH:身体検査(捜索、とも)
・THE WHITE MOTHER:白い母

 「白い犬」、「光と影」、「かくれんぼ」、「白い母」の4作品は先日出版された岩波文庫の『かくれんぼ・毒の園 他五篇』で読むことが出来る。
 「身体検査」も『日本少国民文庫 世界名作選(一)』に収録されているのでまだ良い。その他は日本語翻訳がないこともないが、どれも1910年から20年代の雑誌や単行本に掲載されたっきりなので、探す方は覚悟なされませ。
 特に「古い家」が掲載された雑誌「露西亜評論」の1919年(大正8年)10月号に至っては、いまのところどこにも収蔵が確認出来ない。他の号はあるのに該当だけ抜けているだなんて、何故そんな……。


 なんて個人的な愚痴に話が逸れたので戻すが、この短編集、ものすごく出来が良い。
 作品の選択と収録順が素晴らしすぎて、もうこの翻訳者は読者の魂を狩る気なのだとしか思えない。そして「白い母」を読み終わった時点で、「狩られても良いかな」なんて気持ちにさせるだなんて、優秀の二文字に尽きる。
 ただ1915年発行なだけはあり、読みやすいかと問われるとかなり疑問。



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パンテオン叢書第二編『死の勝利 序詞及び三幕』感想:★★★★★

2013.05.09 Thu




 国会図書館デジタル資料内の外部からもアクセス可能な一冊でした。
 ただ「ソログープ」ではヒットせずに、「ソログーブ」で検索して初めて出て来たおかげで、今の今まで外部からも読める資料だと気が付かなかった。
 ソログープの表記揺れとしては、「ソログーブ」の他に「ソログウブ」とあともう一つ見かけた気がするがなんだったかな。後は作品名で検索しておいた方が良いのだろうか、って割と邦題にブレがある上に割と一般的なタイトルが多くて泣ける。

 収録作品は3篇。
・「死の勝利」
・「白いお母樣」
・「白い犬」

 国会図書館のデジタル資料では序が乱丁しており、Ⅲページの後にⅥページ、Ⅴページ、Ⅳページという順になっている。
 デジタルなのだからこうちゃちゃっと直してくれたりしないのかな。それとも現物そのままなところに価値があるのかな。



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