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『十蘭錬金術』感想:★★★☆☆

2012.06.24 Sun


十蘭錬金術 (河出文庫)

久生 十蘭 河出書房新社 2012-06-05
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by ヨメレバ


 河出文庫から1年に数冊出ている久生十蘭の短編集のうち、今の所最も新しいのが本書。こちらは新字新仮名。
 時折()の中で行われる補足じみたものは、河出文庫から出すにあたって誰かが加えたものなのかどうかが分からない。
 特に断り書きがないところを見ると元からあったもののように思えるが、けれど、こんな補足を作者がするものだろうか。
 国書刊行会からも久生十蘭の全集が現在刊行途中だが、こちらは旧字旧仮名のままらしい。


 本書に収録されている作品は以下。
・「彼を殺したが……」
・「犂氏の友情」
・「勝負」
・「プランス事件」
・「悪の花束」
・「海と人間の戦い」
・「南極記」
・「爆風」
・公用方秘録二件
 「犬 (法朗西御使節モーズ候一件)」
 「鷲 (唐太モイガ御番屋一件)」
・「不滅の花」

 全ては実際に起った事件を題材にしたもの。それ故に「錬金術」とのタイトルが付いているようだ。
 感想は折りたたみ。




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『吸血鬼ドラキュラ』感想:★★★★☆

2011.07.15 Fri
吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)
吸血鬼ドラキュラ (創元推理文庫)ブラム ストーカー Bram Stoker

東京創元社 1971-04
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 レ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』を読んだついでに、ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』を読了。
 いくつかの出版社から出ているが、私が読んだのは創元推理文庫の物。翻訳は平井呈一。


 吸血鬼の伝承自体は東欧の地では古くから存在していた。それがヨーロッパひいてはキリスト教と出会い変質し、そしてヨーロッパに持ち帰られたことによって、ヨーロッパ、特に東端に位置し東欧との接触の多かったドイツに於いて、吸血鬼の存在は18世紀初頭にはかなり信じられたのだそうな。
 その熱狂と混乱から時が経ち、「吸血鬼など絵空事だ」との認識が共有されるようになって初めて、吸血鬼小説は日の目を見ることとなる(吸血鬼を主題とする作品としては、小説よりも詩の方が早いのだが)。
 その先鞭を付けたのがジョン・ボリドリの短編小説「吸血鬼」。作品中に登場する吸血鬼が悪名高いバイロン卿をモデルにしていると見なされたこと、またボリドリがバイロンの主治医だったことなど色んな事情があったせいで、この作品は一時バイロン作だと宣伝され、故に大反響を巻き起こした。
 その後、二匹目のドジョウを狙った作品がいくつも発表された末に登場したのがレ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』であり、本書『吸血鬼ドラキュラ』はカーミラを越えんとして書かれた作品なのだそうだ。
 ストーカーの意気込みは見事に成就し、ドラキュラの名は誰もが知るところとなった。おかげでウラド公とトランシルバニアのイメージが歪んだが。

 とまぁ、そんな前書きはどうでも良いのだが、あまりにも有名すぎて、そう言えば真面目に読んだことないなーと思ったので、カーミラのついでに読んでみた次第。
 ポリドリの「吸血鬼」が短編、「カーミラ」が中編なのに対して、「ドラキュラ」は堂々たる長編。手に重たい。


 この小説は、作中の登場人物たちが書いた物(手紙、日記、電報、エトセトラ)を集めたという形式で展開されていく。
 最初に読者に提示されるのは、イギリス人ジョナサンの日記。彼が土地の売買の契約を成立させるために、はるばるトランシルヴァニアのドラキュラ伯爵の城に出向く途中から始まる。
 ドラキュラ=吸血鬼との方程式がガッツリ染みついている身としては、「ジョナサン、行っちゃダメ!」と叫びたいところだが、何も知らないジョナサンは勿論城に行ってしまう。仕事ですし。
 だが、その旅路の途中で出会った地元の人々の曰くありげな仕草や、また城に到着してからの伯爵との対話などからジョナサンは、伯爵が普通の人間ではないこと、さらに己が現在捕らわれた身となっていることを確信するに至る。
 そんな気が狂いそうな状況の中、ジョナサンは必死に日記を綴り、愛する婚約者ウィルヘルミナ(ミナ)と生きて再会するために決死の行動に出る。
 と、物語が緊迫したところで場面は変わり、今度はミナとその友人ルーシーの微笑ましい文通の様子が記される。この温度差が非常に良い。
 ルーシーののろけも実にニヤニヤさせてくれる。このほっこり感が、その後の悲劇の伏線だとは、いやぁ、やられた。作者、やりおるわ。



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